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平成27年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2016-11-01

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  1. 福岡県議会 2016-11-01
    平成27年度 決算特別委員会 本文 開催日: 2016-11-01


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    平成二十八年十一月一日(火曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯井上忠敏委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、「ふくおか県議会だより」等に掲載するため、本委員会の審査状況の写真撮影が行われますので、お知らせいたします。  審査日程に従い、本日の議事を行います。  これより総括質疑を行います。  総括質疑は、お手元配付の総括質疑一覧表の順序に従って指名し、質疑を行います。川端耕一委員。 2 ◯川端耕一委員 皆さん、おはようございます。自民党県議団の川端耕一でございます。  早速、企業誘致について質問させていただきます。  私の地元門司区から大分県境の吉富町、上毛町に至る北九州・京築地域の振興策について、まずお尋ねします。  先日、平成二十七年度国勢調査の結果が発表されました。福岡県の人口は五年間で約三万人増加しましたが、福岡都市圏以外は、ほとんどの地域で人口が減少しております。残念ながら、北九州市はこの五年間で一万五千五百六十人減少、全国の市町村の中で最大の減少数であります。京築地域でも、行橋市以外の市町は全て人口が減少しております。私は、かねてから本州と九州を結ぶかなめであり、玄関口に位置する北九州・京築地域は、大きな発展の可能性を有した地域であると考えております。  そこでお尋ねします。北九州・京築地域のポテンシャルをどのように認識しているのか、また、そのポテンシャルを活用して、どのように地域振興に取り組むのかお答えください。 3 ◯井上忠敏委員長 田代総合政策課長。 4 ◯田代総合政策課長 北九州・京築地域でございますが、委員御指摘のとおり、二十四時間利用可能な北九州空港、北九州、苅田の両港、さらに鉄道、高速道路など、まさに陸海空の交通結節点としての強みを有しておると考えております。また、ロボット、環境エネルギー、さらには自動車産業、こういった先端産業で培われました高度な技術、さらには工業系大学を初めとする研究教育機関の集積、こうしたものも地域の強みでございます。加えまして、ことし四月でございますが、東九州自動車道が宮崎まで全線開通しましたことによりまして、九州自動車道、大分自動車道と一体になった循環型ネットワークが形成されました。このことによりまして、人、物の流れが大きく促進されることが期待されております。私どもは、こうした地域の強み、ポテンシャルを最大限に活用いたしまして、地域と一体になって企業誘致、産業育成、観光振興、こういったものに取り組んでまいる所存でございます。 5 ◯川端耕一委員 ただいま説明がありましたように、北九州・京築地域は、明治日本の近代産業の発展を支えた鉄鋼のまちから発展し、昭和、平成に入っては、日産自動車の進出に始まり、トヨタのエンジン工場が立地し、さらに地元のTOTOや安川電機の成長もあり、この地域は日本のものづくり産業の有数の拠点となっております。そして、何より二十四時間利用可能な北九州空港が開港し、今では三菱MRJの飛行試験の拠点と位置づけられております。今後は、自動車関連産業に加え、航空機産業の誘致にも取り組むことで、この地域の人口減を食いとめ、地方創生を図っていくべきだと考えます。  そこでお尋ねします。地方創生の取り組みでは、この地域に安定した雇用を生む企業誘致が重要と考えますが、その見解についてお伺いします。 6 ◯井上忠敏委員長 高原企業立地課長。 7 ◯高原企業立地課長 委員から先ほど国勢調査の結果についての御指摘がございましたけれども、北九州・京築地域における人口減少が進む中、この地域の振興を図るためには、この地域のポテンシャルを生かした産業を振興し、地域に安定した雇用の場をつくることが何より重要であると考えております。企業誘致は、新たな雇用を創出するための有効な手段の一つであると考えており、県といたしましては、今後も地元市町村と連携しながら、この地域の立地環境を積極的にPRしながら、基幹産業である自動車関連産業に加え、先ほど御指摘の航空機関連産業等の企業誘致にも全力で取り組んでまいりたいと考えております。 8 ◯川端耕一委員 人口減少を食いとめるためには、本当に雇用創出というのが大変重要なことだと思います。企業誘致の中でも、特に地域に大きな雇用や経済効果をもたらす大規模の企業誘致が重要であります。北九州・京築地域で、これまでに十ヘクタールを超えるような大型の企業誘致が実現した事例があれば教えてください。 9 ◯高原企業立地課長 お答えします。平成十年以降でございますが、北九州・京築地域で十ヘクタールを超える用地に企業が立地した事例は、合計で四件となっております。
     具体的には、一つ目ですが、平成十六年度に苅田町にある松山工業団地の三十一ヘクタールに、トヨタ自動車九州の苅田工場が立地をしております。次に、平成十八年度、北九州市にある響灘臨海工業団地の二十ヘクタールに、ブリヂストン北九州工場が立地をしており、また、その年度に、北九州臨空産業団地松山工業団地の合わせて三十四ヘクタールに、トヨタ自動車九州の小倉工場が立地しております。四つ目でございますが、平成十九年度、響灘臨海工業団地の十六ヘクタールに、東邦チタニウム若松工場が立地しております。さらに、本年八月、苅田町の新松山臨海工業団地十六ヘクタールについて、ユニ・チャームプロダクツと県との間で立地協定が締結されております。 10 ◯川端耕一委員 これまでの事例は四つほどということであります。これまでの大型の企業誘致は、北九州・京築地域のポテンシャルに加え、県や北九州市が前もって工業団地を準備しておいたから実現したのではないかと思います。  今後も、大型の企業誘致を実現するためには、その受け皿となる大規模な工業団地をストックしておく必要があると考えますが、県内の十ヘクタールを超える大規模な区画を持つ工業団地の状況についてお聞きします。 11 ◯高原企業立地課長 現在十ヘクタールを超える区画を持つ工業団地でございますが、北九州市が整備したマリナクロス新門司、それと、県の港湾課が苅田町に整備をした新松山臨海工業団地の二つがございます。このうち、マリナクロス新門司につきましては、港湾法及び北九州市の条例により構築物の規制があるため、物流企業を対象に誘致をする工業団地となっております。 12 ◯川端耕一委員 北九州市が整備した一カ所と県が整備した一カ所、二カ所ということでございますが、県内に二カ所しかないということでございます。  我が会派が代表質問でも問いました内容で、新松山臨海工業団地に絞って質問いたします。新松山臨海工業団地における企業からの現在の問い合わせ状況はどうなっておりますか。 13 ◯井上忠敏委員長 須貝港湾課長。 14 ◯須貝港湾課長 新松山臨海工業団地につきましては、昨年四月から約四十ヘクタールの分譲を開始しております。このうち、約十六ヘクタールにつきましては、今年八月、ユニ・チャームプロダクツ株式会社と立地協定を締結しております。  残りの二十四ヘクタールについては、電気業、道路貨物運送業、製造業など、複数の企業から問い合わせがあってはおりますが、いずれも現時点では分譲申し込みには至っておりません。 15 ◯川端耕一委員 複数の企業からの問い合わせがあるということであります。そのようなことを勘案しますと、新松山地区における新たな工業団地の造成に着手する必要があると考えますが、造成に要する期間についてお伺いします。 16 ◯須貝港湾課長 新松山地区における工業団地は、苅田港の航路しゅんせつにより生じたしゅんせつ土砂を利用して造成を行っております。しゅんせつ土砂といいますものは、そのままでは多量の水分を含んでおり、非常に軟弱であります。このため、その上に山土を載せ、排水を促すことでしゅんせつ土砂を締め固め、地盤強度を上げる必要があります。このような手順を踏むため、造成が完了するのに少なくとも五年を要するものでございます。 17 ◯川端耕一委員 ただいまの説明で、少なくとも五年かかるということでございます。現在の大規模な工業団地のストック状況、そして、企業からの問い合わせ状況、造成に要する期間を考えると、今後大型誘致を進めるためにも、来年度には新松山地区における新たな工業団地の造成に着手する必要があると考えますが、どのような認識をお持ちでしょうか。 18 ◯井上忠敏委員長 山本県土整備部長。 19 ◯山本県土整備部長 これまで答弁の中でもお答えをしておりますけれども、北九州地域あるいは京築地域の振興のために、地域に大きな雇用の創出や経済効果をもたらす大規模な企業誘致を進めていくことは大変重要な課題であると認識をしております。このため、まずは新松山臨海工業地域に残っております二十四ヘクタールの用地の分譲を進め、さらなる企業誘致に努力していくことが必要だと思っております。  今お尋ねの新松山地区における新たな工業団地の造成につきましては、造成した用地が分譲された場合には、地域にさらなる大きな雇用の創出、あるいは経済効果、こういったものがもたらされることになると思っております。しかしながら一方で、企業の設備投資は、マクロの経済の状況や市場の動向を踏まえて、企業が経営判断をして行われるものでもございます。こうしたことから、新たな工業団地の造成につきましては、現団地の分譲の状況、企業の設備投資の動向、こういったものを注視しながら、県経済の発展という観点から強い関心を持ってまいりたいと思っております。 20 ◯川端耕一委員 部長の答弁で、強い関心を持ってまいるということでございますが、これは代表質問でも知事からそういう答弁がございました。ただ、強い関心を持っているだけでは前には進みません。雇用もふえませんし、企業誘致もかないません。そういった点を考えますと、今後どのように具体的な行動をなされるのか。企業誘致について知事がどれだけ本気で、どれだけ強い思いで取り組むのか、具体的に知事にお聞きしたいと思いますので、委員長、知事保留のお取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 21 ◯井上忠敏委員長 ただいま川端委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月四日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。  次に進みます。佐々木允委員。 22 ◯佐々木 允委員 皆さん、おはようございます。民進党・県政クラブ県議団の佐々木允です。  ただいまから、北欧との交流について、質問をしたいと思います。  ことし春のフィンエアーの就航を契機として、我が会派としても、フィンランドやバルト三国に視察を行い、関係者とも意見交換をするさまざまな機会を得たところでございます。また今年度は、知事を初め知事部局の多くの皆さん、そして財界の皆さん、各分野の要人の皆さんがフィンランドを訪れ、フィンランドを中心とした北欧との交流についての機運がいつにも増して高まっているところでもございます。私としては、この好機を捉えて、北欧との関係を強化することが重要だと考えております。今回はこの視点に立って、以下質問をしたいと思います。  まず最初に、北欧との交通基盤として、今紹介をいたしましたフィンエアーとの安定的な運航の継続が必要であります。将来的に安定的な運航を支えるには、基本的に搭乗率、加えて日本人と外国人がバランスよく利用者となることが必要だと考えます。  そこで、まず、福岡|ヘルシンキ便の搭乗率と、また外国人の利用者の割合がどういう形になっているのか、お尋ねをしたいと思います。 23 ◯井上忠敏委員長 平田空港整備課長。 24 ◯平田空港整備課長 まず、搭乗率でございますが、フィンエアーによりますと、本年五月七日の就航から十月九日まで、おおむね八割五分となっております。  外国人の利用の状況でございますが、海外におきまして、航空券のおおむね三割が予約、発券されているということでございます。 25 ◯佐々木 允委員 この点でいうと、逆を言えば、ニアリーイコールでありますが日本人の搭乗率はおおむね七割、そして外国人がおおむね三割だということが今回初めてわかりましたが、このバランスについては、インバウンドの観点からも、ぜひ外国人の利用増加という点について、また引き続き強く望みたいと思っています。  続いて、県内の市町村レベルでの交流も現在進み始めているところでございまして、私の地元田川市では、フィンランドのカンガサラ市との文化交流を行い、提携を含めた検討を現在行っているところでございます。しかし、田川市では、海外の自治体との友好提携を結んだことはこれまで実績がございません。このような国際交流になれていない市町村が多いのも実情でございます。県として、そうした市町村に対してどのような支援を行っていくのか、また、先ほど紹介をいたしました田川市の取り組みについて、どのような支援を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。 26 ◯井上忠敏委員長 今泉国際政策課長。 27 ◯今泉国際政策課長 県のほうでは、毎年市町村を集めた会議におきまして、友好提携自治体との交流の手順ですとか段取り、こういった事柄について、県のほうで持っているノウハウを提供いたしましたり、地方公共団体の国際化を支援しております自治体国際化協会という財団、クレアと申しますのがございますけれども、こういった機関による財政支援メニューの紹介ですとか、個別に市町村からの相談に対応したりということは行ってきてございます。市町村のほうで実際に交流先が具体化した段階では、県の海外事務所を活用いたしまして、現地情報の提供や交流先との面談の調整などを行っております。今後も国際交流に必要な情報提供から実務のサポートまで、きめ細かに支援を行ってまいりたいと考えております。  それから、田川市につきましては、県が委託をしております欧州の現地コーディネーター、こういったものも適宜活用しながら支援をしてまいりたいと考えております。 28 ◯佐々木 允委員 最後にお話があったコーディネーターの活用についてはわかりましたが、その方はドイツにいらっしゃると聞いており、なかなかドイツの方と田川市がそのまま直接つながるのは、そういった意味でも大変だと思います。今後の動きにおいてもぜひ、先ほど答弁のあった実務のサポートについて検討して、さまざまな支援をお願いしたいと思います。  ただ一方で、県内の市町村の取り組みだけではなく、県として主体的に取り組みを進めていく必要があると思います。県としては、北欧との交流について具体的にどのような考えで対応していくのか、これまでいろんな議会の議論の中でも詳しい言及がなかったように思います。どのような考えで対応していくのか、ぜひ今回示していただきたいと思います。 29 ◯今泉国際政策課長 北欧につきましては、アジアの諸国に比べまして本県からの距離が遠いということもございます。現状としては緊密な交流というところまでは至っておりません。このため、まずは広く県民の皆様に北欧のことを知っていただき、身近なものに感じてもらう広報や周知の取り組みが必要であると考えております。県といたしましては、国際局を中心といたしまして、関係する部局と連携をして、経済、観光、スポーツなど幅広い分野で交流が進んでいきますように、総合的に取り組んでまいりたいと考えております。 30 ◯佐々木 允委員 多くの県民に北欧を知ってもらう機会をどう考えていくのかということを、次に質問したいと思います。  北欧との交流を具体的に促進していくためには、観光やスポーツ交流など個別の取り組みを、文化や芸術やいろいろな分野があると思いますが、それらを重層的に進めていくことが効果的だと考えます。そこで、観光交流という側面ではありますけれども、まず本県から北欧に行くアウトバウンド、いかに福岡県民のアウトバウンドを増加していくのか、その取り組みについて御質問したいと思います。 31 ◯平田空港整備課長 本県から北欧へのアウトバウンドの増加のためには、福岡|ヘルシンキ路線の認知度の向上、それと、フィンランド、欧州の魅力を広く県民に紹介することが重要であると考えております。こうした考えに基づきまして、福岡市内において、十一月から十二月にかけまして、フィンランドのデザイン、音楽、食や文化などを紹介しますさまざまなイベントを集中的に開催するなど、官民一体となって取り組みを行うこととしております。年明けには、旅行会社の春以降の商品発表がございます。そのタイミングに合わせまして、日本旅行業協会と連携しまして、欧州各都市の魅力を紹介するセミナーの開催を予定しております。欧州路線のPRにつきましては、今後とも継続的に行ってまいります。 32 ◯佐々木 允委員 ぜひ進めていただきたいと思います。というのも、これまでアムステルダムへのKLMがあったときは、やはりオランダとの交流というか、あそこの周辺の交流が十分に行われていたかというと、聞くところによると十分ではなかった点もあったのでないかということも聞いております。唯一の欧州便として、ヘルシンキ便というのは切らせてはならない重要な路線であります。インバウンドたけではなく、アウトバウンドも含めて、県は積極的に行動し、フィンエアーフィンランド、北欧との信頼関係をしっかり高めていくことで、結果としてヘルシンキ便の搭乗率のアップや経済交流にもつながると思います。  また、フィンランドという国は日本とも関係が深く、また、親日的な国でもございます。教育レベルも世界トップクラスで、福祉のシステムも極めて先進的で、参考にすべき点が我々会派で視察した中でもたくさんございました。ぜひ地域交流や文化、経済など、多方面での交流を、アウトバウンドも含めて引き続き行っていただきたいと強く要望したいと思います。  それと同時に、やはりインバウンドの誘客拡大の側面も大事であります。どのような取り組みを考えているのか、お尋ねをしたいと思います。 33 ◯井上忠敏委員長 神代観光振興課長。 34 ◯神代観光振興課長 インバウンドにつきましては、九州観光推進機構と連携して旅行博へ出展する、あるいは現地のメディアを招請して九州の観光について紹介をする、そういった取り組みを行ってきております。  先ほど、外国人の割合が三割ということがございました。さらなる誘客拡大を図る観点から、外国人の視点から本県の魅力を掘り起こしまして、食、温泉、自然、伝統工芸など、対象となる国や地域のニーズに即した魅力を発信していくことが何よりも重要だと考えております。今後も、北欧を含みます欧州における旅行者の訪日旅行に関する興味、関心、また観光情報をどのように収集しているのか、そういったことにつきましても分析いたしまして、より一層効果的なプロモーションにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 35 ◯佐々木 允委員 また、そういった取り組みの中で、観光誘客の一つの手法としてパンフレットなどの観光ツールをぜひ充実すべきだと思います。例えば、フィンランドであれば、英語もかなり読めると聞いてはおりますが、やはりフィンランド語でしっかり作成するなど、プロモーションの際に工夫をしてはと考えます。我々も欧州や海外に行ったとき、日本語のパンフレットがあれば、まず日本語のパンフレットをとると思うんですけれども、そういう現地語のプロモーション等の工夫についてどのように考えるのか、ぜひお尋ねしたいと思います。 36 ◯神代観光振興課長 今、委員から御提案がありました。英語というのは多様性がありますので、それで対応できる部分がありますけれども、フィンランドで開催されております旅行博に出展するに際しましては、ポスターやパネル、そういったものにフィンランド語での表記を加える、さらに、福岡の魅力を紹介するパンフレットなどのツールにつきまして、フィンランド語で作成するといったことを、まずできるところから工夫してやってまいりたいと考えております。  また、フィンランドはサウナ文化発祥の地とも聞いております。プロモーションに際しましては、温泉をPRするなど現地で関心を持っていただけるようなプロモーションについて工夫をしてまいりたいと考えております。 37 ◯佐々木 允委員 ぜひ取り組んでいただいて、また、旅行博等、随時フィンランドでも行われると思いますので、早くつくっていただいて活用をしていただきたいと思います。  次に、今、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地の誘致について、既にスウェーデンとノルウェーのキャンプ実施が本県としても内定しているほか、フィンランドにおいても、本年五月にオリンピック委員会を訪問し、現在も誘致の実現に向けて交渉中であるということを聞いております。また、地元田川市においても、ドイツのスポーツ少年団の受け入れを行ったり、今後のキャンプ地誘致についても現在積極的に取り組みを行っているところでありまして、今月、市長がドイツに行く予定にもなっております。  この機会を、キャンプの実施だけにとどめることなく、この間さまざまな交流をやっていきますので、ぜひスポーツを通じた交流につなげていくことが必要だと考えますが、どのようにお考えなのか、お尋ねしたいと思います。 38 ◯井上忠敏委員長 篠原スポーツ振興課長。 39 ◯篠原スポーツ振興課長 オリンピック・パラリンピックの事前キャンプにつきましては、当該年度のキャンプの実施という一過性のものに終わることなく、その前年、またキャンプ後もスポーツ交流につなげていくことが重要だと認識をしております。このため、受け入れ先となります市町村とも協議を行いながら、具体的な交流内容やその方法について検討いたしますとともに、相手国とも調整をいたしまして、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 40 ◯佐々木 允委員 キャンプ地誘致、今から具体化していって行動が始まると思います。そういった中で、具体的な方法を検討していくという言葉がありましたので、ぜひ取り組みを進めていっていただきたいと思います。  最後に、フィンエアーの就航という好機は、本県の今後のインバウンドにおいても、また、欧州との交流においても非常に大きな意味をなすものであると思います。本県として北欧等との交流をよりよくしていくために、企画・地域振興部長としてどのようにやっていくおつもりなのか、最後に決意をお伺いしたいと思います。 41 ◯井上忠敏委員長 家守企画・地域振興部長。 42 ◯家守企画・地域振興部長 本年五月に就航いたしましたフィンエアーは、九州とヨーロッパを結ぶ唯一の路線になっております。それから、就航先のヘルシンキ空港は、日本から最も短時間で行けるヨーロッパへの玄関口の一つとなっております。北欧にとどまらず、ヨーロッパに向けてのハブ空港として大変貴重な路線であると考えております。  県といたしましては、委員御指摘のように、このフィンエアー就航という好機を生かしまして、先ほど関係課長から御答弁いたしましたけれども、観光、経済、スポーツ、文化、幅広い分野で交流の促進を図るべく、県はもとより経済界、市町村、関係者一体となって、総合的かつ重層的に取り組んでまいりたいと考えております。 43 ◯佐々木 允委員 終わります。(拍手) 44 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。西尾耕治委員。 45 ◯西尾耕治委員 公明党の西尾耕治でございます。  本日は、高校生の自動車免許取得について、質問いたします。  委員長、あらかじめ、県警察に準中型免許制度に関する改正道路交通法について、資料を請求しております。お取り計らいのほどお願いいたします。 46 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま西尾委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 47 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま西尾委員から要求がありました資料については、提出できますか。高木警察本部総務部長。 48 ◯高木警察本部総務部長 直ちに提出いたします。 49 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 50 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 51 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、西尾委員、質疑を行ってください。 52 ◯西尾耕治委員 まず、この資料について、確認の意味を込めて、私から県警察にお尋ねいたします。  初めに、貨物自動車を運転する場合、現行の免許制度と準中型免許制度導入後ではどのように変わるのか、お伺いいたします。 53 ◯高木警察本部総務部長 貨物自動車を運転する場合、現行の免許制度では、車両総重量、最大積載量に応じて、普通免許、中型免許、大型免許の三つに区分されております。準中型免許制度導入後、普通免許と中型免許の間に、車両総重量七・五トン未満、最大積載量四・五トン未満の車両が対象となる準中型免許が新設され、この結果、普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許の四つに区分されることとなります。 54 ◯西尾耕治委員 次に、準中型免許は何歳から取得できるのでしょうか。 55 ◯高木警察本部総務部長 十八歳から取得することができます。 56 ◯西尾耕治委員 それでは、準中型免許受験者は、普通免許の保有者に限られるのでしょうか。 57 ◯高木警察本部総務部長 普通免許を保有していなくても、準中型免許を取得することができます。 58 ◯西尾耕治委員 次に、準中型免許が導入された背景は何でしょうか、伺います。 59 ◯高木警察本部総務部長 準中型免許が導入されました背景といたしましては、最近の全国的な交通事故の情勢を見てみますと、貨物自動車など車両総重量の大きい車両のほうが、一般的な乗用車に比べ死亡事故の発生頻度が高い傾向にあること、現行の中型免許を取得するには普通免許取得後二年以上経過している必要があるため、高等学校等を卒業して間もない人が中型免許を取得することはできず、就職に影響を及ぼしていることなどが挙げられます。 60 ◯西尾耕治委員 今御答弁ありましたように、これは両サイドのほうから、いわば大型の事故の多発といったことに起因することと、もう一つは、やはり就職の際に時間がかかるという現実の内容もあったということで、今回この準中型が取り入れられたと聞いております。  次に、三月十一日以前に普通免許を取得し、その後三月十二日以降に準中型免許への限定解除を行う場合と、三月十二日以降に最初から準中型免許を取得する場合では、指定自動車教習所における最短教習時間数はどのように違うのかお答えください。 61 ◯高木警察本部総務部長 平成二十九年三月十一日以前に、指定自動車教習所で普通免許の教習を受ける場合、最短で、技能教習三十四時限、学科教習二十六時限の合計六十時限を要します。その後、準中型免許へ移行するため、指定自動車教習所で教習を受けようとする場合、最短で技能教習四時限が必要となることから、普通免許を取得して準中型免許へ切りかえるまで、通算で最短六十四時限を要することとなります。  一方、平成二十九年三月十二日以降に、指定自動車教習所で最初から準中型免許の教習を受ける場合、最短で、技能教習四十一時限及び学科教習二十七時限の合計六十八時限を要することとなります。 62 ◯西尾耕治委員 法的な施行の変更、かかる時間は今確認できました。  それでは、教育部局及び私学振興・青少年育成局にお伺いいたします。例年、福岡県の公立高校卒業者のうち、どれぐらいの生徒が就職しておりますでしょうか。 63 ◯井上忠敏委員長 中島教育庁高校教育課長。 64 ◯中島教育庁高校教育課長 就職決定者数ベースで申し上げますと、公立高校においては過去五年間平均で二万五千七百五十八名が卒業し、そのうちの一九・二%に当たる四千九百四十六名が、高校卒業後就職をしている状況でございます。 65 ◯西尾耕治委員 同様に、福岡県の私立高校卒業者のうち、どれくらいの生徒が就職していますでしょうか、伺います。 66 ◯井上忠敏委員長 古閑私学振興課長。 67 ◯古閑私学振興課長 私立高校におきましては、過去五年間の平均で一万六千三百七十名が卒業し、そのうち一五・二%に当たる二千四百八十一名が、高校卒業後就職をしております。 68 ◯西尾耕治委員 かなりの数の方が就職をされていることが確認できました。  現在、県立高校における生徒の自動車運転免許の取得については、どのような指導を行っておられますでしょうか。 69 ◯中島教育庁高校教育課長 県立高校の生徒の自動車運転免許の取得につきましては、生徒の生命と安全を守る立場から、また、学校の教育目標を達成する観点から、在学中の不必要な免許の取得は認めないなどの指導を行っております。ただし、卒業学年の生徒で、就職等の関係から自動車運転免許の取得を希望する者につきましては、校長の判断により、授業や就職活動等に支障がなくなった時点で原則認めており、現状としては就職の内定が得られた後の十二月前後に自動車学校入校等を認める場合が多いと考えております。 70 ◯西尾耕治委員 それでは、私立高校における生徒の自動車運転免許の取得については、どのように指導を行っていますでしょうか。 71 ◯古閑私学振興課長 私立高校におきましては、各学校の実情に応じた生徒指導がなされているところであり、就職希望など生徒の進路に応じて、在学中の自動車運転免許の取得について、多くの私立高校が認めております。  自動車学校への入校時期につきましては、各学校によって異なりますが、夏休み中や就職内定後、または三学期からといった時期に認めている状況でございます。 72 ◯西尾耕治委員 委員長、全国高等学校長協会会長から文科省に提出された要望書を、資料として私から配付いたしたいのですが、お取り計らいのほどお願いいたします。
    73 ◯井上忠敏委員長 ただいま西尾委員から申し出がありました資料の配付についてであります。  資料の内容については、理事会において確認しております。  お諮りいたします。  西尾委員申し出の資料を配付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 74 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、西尾委員の申し出の資料を事務局から配付させます。     〔資料配付〕 75 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、西尾委員、質疑を行ってください。 76 ◯西尾耕治委員 この要望書は、就業を目指す高校生について、全国高等学校長協会会長名で文科省の初等中等教育局の局長宛てに提出されたもので、今回の道路交通法の改正による免許制度の変更を全国の高校において周知徹底していただきたいという要望書であります。教育委員会、私学振興・青少年育成局、それぞれこの件については御存じでしたでしょうか、お伺いいたします。 77 ◯中島教育庁高校教育課長 この要望書については承知をしておりませんでした。 78 ◯古閑私学振興課長 この要望書につきましては承知しておりませんでした。 79 ◯西尾耕治委員 やっぱりこれはゆゆしき話であると、私は思います。卒業式が三月上旬にありますが、その時期から免許を取得しようとしても、今回の道路交通法の改正前の取得には間に合いません。先ほどの県警察の答弁でありましたように、準中型免許を取得するには、より多くの日数を費やします。が、皆さん御存じのように、指定自動車教習所は、二月、三月が年間を通じて一番の繁忙期であります。とりわけ運送会社や物流会社に就職を希望する高校生にとっては、すぐに現場で稼働できるかどうか、即戦力となれるかどうかの深刻な問題になりかねません。来年が法改正の施行時期でもあります。ぜひこの要望書にありますように、来年に就業を目指す高校生に不利益が生じないよう、今般の免許制度の改正内容について周知を徹底する必要があると、私も強く思います。そのためには、今からでも遅くならないように手だてを実行すべきだと思います。  現在、学校においては、先ほどの答弁にもありましたように、免許を取得することに時期的に制限をかけているところもあり、この際、そのような就職を前提とした生徒には冬休みから、本人が希望するならば学校として優先して許可をすべきではないかと考えます。そのためにもこの周知を徹底すべきだと思います。最後に、教育長並びに私学振興・青少年育成局長、それぞれお答えください。 80 ◯井上忠敏委員長 城戸教育長。 81 ◯城戸教育長 まず、県立高校におきます免許取得の許可時期の問題でございますが、先ほど課長が答弁いたしましたように、卒業学年の生徒で、就職の関係で運転免許の取得を希望する者については、就職の内定が得られた後の十二月前後に自動車学校入校等を認める場合が多いと承知をしておるところでございます。  ただ、今回の道路交通法の改正内容については十分に浸透していないおそれもございます。このため、就職等を目指す生徒に正確な情報が伝わりますように、今月末の生徒指導主事の研修会で、全ての県立高校に対し周知徹底を図ることとしております。 82 ◯井上忠敏委員長 関教育庁私学振興・青少年育成局長。 83 ◯関私学振興・青少年育成局長 私立高校におきましては、多くの学校が在学中の運転免許取得を認めております。また、就職予定の場合は冬休みにおける免許取得も可能でございます。  しかしながら、私立高校におきましても、今回の改正内容が、教職員、生徒、保護者等に十分浸透していないおそれがあること、またあわせまして、例えば御指摘ありましたけれども物流業界を目指す生徒にとりましては、今回の準中型免許の新設は大変重要な情報であると考えておりまして、今回の改正内容につきまして、各学校を通じ、生徒、保護者に対しまして速やかに、かつしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。 84 ◯西尾耕治委員 今御答弁いただきました教育長、また局長がおっしゃった内容は、教職員、生徒、保護者に十分に浸透されていないおそれがあるということであります。ましてや物流業界を目指す生徒にとっては、今回のこの準中型免許の新設が大変に重要な情報であるという認識でございます。しっかり、そういう意味では今後この周知を徹底していただきたいと思います。このような種別の免許がこれから仕事をしていく上で必要な子供たちには、社会人生活をスタートしていく上でスムーズに出発させてあげることが、技能習得の面でも、また心の持ちようの部分でも大変に重要であると考えます。さらに、受け入れる事業者側にとっても人材としては大いに歓迎されることだとも思います。  担当執行部局におきましては、ぜひ賢明な判断の上、実行に移していただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 85 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。高瀬菜穂子委員。 86 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  通告に従いまして、公契約条例の必要性について、お尋ねをいたします。  公契約条例は、公が発注する事業で働く労働者の賃金を保障することや受注をめぐる著しい低価格競争に歯どめをかけ、事業の質を確保することを契約者に求める条例のことです。  二〇一四年九月、千葉県銚子市のパートの学校給食調理員、母ひとり子ひとりの家庭で、県営住宅家賃を滞納し、強制退去の期日の二十四日に、母親が中学二年の娘さんを殺害、自分も死のうとして死に切れなかったという痛ましい事件がありました。パートの時給は八百五十円、月給は四万から八万円だったそうですが、春、夏、冬休みの時期は仕事が休みとなるため、収入が著しく落ち込んでおり、借金も重ねていました。事件を起こした日は、夏休みが明けた直後で、預金残高は千九百六十三円しかなかったと報道されています。いわゆる官製ワーキングプアの問題としてメディアに大きく取り上げられました。  メディアに取り上げられなくても深刻な例はたくさんあります。私のところにも相談があります。先日発表された総務省の地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査によりますと、その数は全国で六十四万人、前回四年前の調査から四万五千人ふえています。こうした臨時・非常勤職員の中でワーキングプアと言える働き方がふえており、告発されております。  長崎県では、六年半の間、同じ職場で同じ仕事をしていたのに、県と外郭団体の二つが二カ月ごとに雇いどめにして、六十七回も雇用主が変わり、社会保険に入れなかったという事案が起こり、裁判になりました。都道府県で多い臨時教職員処遇も、正規に比して低賃金で、埼玉県で生活保護が適用された例もあります。  官製ワーキングプアは本来あってはならないと考えます。県の臨時・非常勤職員について、その果たす役割はどのように認識しているのか、また、報酬、賃金の処遇状況についてもお答えください。 87 ◯井上忠敏委員長 徳永人事課長。 88 ◯徳永人事課長 まず、役割の認識でございますが、県行政の推進に当たりましては、本来正規職員によりまして必要な人員を確保することが原則と考えております。しかし、年度の中途で出産や育児、病気等によりまして職員が休務する場合については、臨時職員を任用しております。また、非常勤職員につきましては、専門的な知識や経験、資格を必要とする消費生活相談員などに任用しているところでございます。  臨時職員、非常勤職員、いずれにつきましても正規職員と同様、県民福祉向上のために県政の一翼を担っておりまして、重要な役割を担っているものと認識しております。  また、臨時・非常勤職員の報酬、賃金につきましては、類似職種の正規職員、もしくは民間事業従事者との均衡を考慮して設定し、適切に支給しているところでございます。 89 ◯高瀬菜穂子委員 市町村への指導についてはどうですか。 90 ◯井上忠敏委員長 後藤市町村支援課長。 91 ◯後藤市町村支援課長 市町村におきます臨時・非常勤職員の報酬につきましては、各団体におかれまして職務の内容や正規職員との均衡などを考慮して、各団体において決定されているところでございます。 92 ◯高瀬菜穂子委員 いずれも百点満点で行っていますという御答弁ですけれども、果たして本当に本県の公務労働者の賃金や身分保障は適正なのか、これには疑問があります。例えば、私が六月議会で取り上げました学校現場で働く常勤講師が産休をとれず、事実上やめさせられている問題が本県にもあったわけです。また、本県教職員が非常勤も含めて定数ぎりぎり、これは全国四十二位です。定数ぎりぎりで、しかもその定数さえ割り込んでいる教員不足の中で、市町村も独自採用を行っています。その契約は実に劣悪なんですね。人事院規則違反ではないかと疑われるものがあります。  今回、その一々について問題にしませんが、申し上げたいのは、公で働く労働者の賃金と身分を適正に保障するために公契約条例が必要ではないかということです。  次に参りますが、公共事業を担う建設労働者の賃金についてです。本県の建設労働者に対する設計労務単価は、この四年間で五千二百二十七円、三四%も引き上げられました。しかし、技能労働者への適切な賃金水準の確保にはつながっていません。一万二千人が加入する福岡県建設労働組合、福建労と言われていますが、福建労が二〇一六年六月に取り組んだ賃金実態調査によりますと、平均日当は、大工で一万四千八百三十円、各職種で一万四千百八十六円、全職種の平均額は一万四千三百七十九円であり、四年間でわずかに七百円程度の増加にとどまっています。  民間の低賃金構造を打開する上でも公共部門の責任は重大であり、その見地から国土交通省は本年一月三十日に公共工事設計労務単価を連続して引き上げました。本県も通知文書を発していますが、その内容は努力義務にとどまっており、現場では自己負担経費約七千円を差し引くと、生計費が満足に捻出できないという現状が今も広く存在します。技能労働者の確保、育成のためには、適切な水準の賃金の支払いが重要であることは明白です。  福建労は、各種法令に照らしても、月二十二日働いて年間六百万円の賃金が保障されることが、技能労働者の維持、再生産に不可欠であると提言しています。実際の現場では下請が何重にも重なる重層下請構造となっている状況があります。そのために労務費へのしわ寄せなどの問題が発生しています。  ことし一月に国土交通省が出した通知、技能労働者への適切な賃金水準の確保についてには、発注者として受注者に法定福利費相当額の適切な支払いの指導や支払い状況の確認をするとともに、新労務単価の上昇を踏まえた適切な水準の賃金の支払いを指導するなどの特段の御配慮をお願いいたしますとあります。これを受けて、県としてはどのような対応を行っているのですか。 93 ◯井上忠敏委員長 清水契約室長。 94 ◯清水契約室長 ことしの一月に国土交通省から都道府県に対しまして通知があり、適切な価格での契約や技能労働者への適切な水準の賃金の支払いなどを促進することが要請されております。県といたしましても、建設工事の担い手である技能労働者を確保、育成していくためには適切な水準の賃金の支払いが重要であると考えております。このため、受注業者に対しまして、下請契約を行う際には適切な価格での契約締結を行うよう要請しているところでございます。また、設計労務単価の引き上げを踏まえた下請業者による適切な水準の賃金の支払いにつきましても、受注業者に対して要請を行っているところでございます。さらに、建設業団体に対しましても、意見交換会や総会など、さまざまな機会を捉えて同様の要請を行っております。 95 ◯高瀬菜穂子委員 要請を行っているということですけれども、通知を踏まえた契約になっているか、元請に尋ねたことはありますか。 96 ◯清水契約室長 尋ねたことはございません。 97 ◯高瀬菜穂子委員 国の通知はここ数年出ていると思います。同趣旨の通知は、県は何年ぐらい出しているのでしょうか。 98 ◯清水契約室長 昨年一月にも同様の通知が来ていまして、その時点からは出しておりました。それ以前については、現在ちょっと確認資料がございませんけれども、少なくとも昨年一月以降は出しております。 99 ◯高瀬菜穂子委員 昨年も出して、ことしも出してということですが、通知を出しても下請の単価が変わっていないと、労働者から告発があっているわけですよね。適切に新労務単価の上昇を踏まえた水準の賃金をと国も言い、県も同じ通知を渡しているわけですよね。では、労働者の賃金はどうなっているのかということを県として把握すべきではないかと思うんですよね。これについてはいかがでしょうか。 100 ◯清水契約室長 技能労働者の賃金実態の把握でございますが、これにつきましては、国が設計労務単価を改定するために、全国の公共工事従事者の賃金実態を調査しております。この調査には、毎年県が発注した工事も含まれておりますことから、県の賃金実態も反映されているものと考えております。 101 ◯高瀬菜穂子委員 この問題、何度か議会で取り上げられておりますし、一年前に我が会派の山口議員も同じ問題を取り上げましたが、全く同じお答えなんですよね。そして、現場の労働者の実態はよくなっていないわけですね。県は、通知を出すだけで、通知の中身がどう受けとめられて、どう実行されているかについては直接調査しないんですね、国がやっているからということで。それはどうしてですか。 102 ◯清水契約室長 この労務単価の改定につきましては、国と県が共同作業でやっております。こういったことから、県の工事も対象となっておりますし、福岡県内の国が行っている工事や政令市の工事も入っております。こういった工事が対象となっておりますので、この設計労務単価の調査というものは適切に行われておりますし、福岡県の工事も入っていると、県全体の賃金実態が反映されているという考えのもと、この実態調査でもって、県としてはいいのではないかと考えているところでございます。 103 ◯高瀬菜穂子委員 しかし、設計労務単価、新労務単価が反映されていないという実態があるわけで、県がこの通知に基づいて、やる気になれば、直接聞き取ることは私はできると思うんですよね。  国の中小企業庁がことし初めて、取引上立場の弱いおそれのある中小企業や小規模事業者、いわゆる三次、四次下請などの事業者に直接ヒアリングを行っています。これまで書面調査や立入調査を行ってきたのだけれども、それだけではわからないのではないかと、秘密保持で直接ヒアリングをすべきだ、このことを主張してきた我が党の真島省三衆議院議員が国会で取り上げましたら、その質問に対して中小企業庁はこんなふうに答えています。毎年書面調査、立入調査を行ってきたが、下請事業者の中には、取引への影響を心配して不当な状況を申し出ることは難しいといった事案があったのではないか、秘密保持を前提に職員を直接中小企業の方々に派遣して、書面調査では把握できない厳しい取引条件に直面している実態を改めて認識しましたと。一歩踏み込んで中小企業庁は下請事業者の実態をつかんで、そして、それを反映しようとしていると思うんですね。こうした国の取り組みにも学んで、現場の生の声を聞いて、新単価を反映した賃金水準になるよう、発注者である県が動くべきだと思います。  私は、現状でもヒアリング調査は可能だと思いますけれども、公契約条例ができればその根拠となりまして、調査はしやすくなると思うんです。公契約条例は全国二十三自治体に広がっています。その中で、賃金下限額を定めているのが野田市、我孫子市、東京都渋谷、足立、千代田、世田谷の四区、多摩市、国分寺市、川崎市、相模原市、厚木市、三木市、高知市、直方市の十四自治体です。例えば、本県直方市の場合、一時間当たり八百五十二円という労務報酬下限額を設定し、普通作業員の下限額は千七百三十円などとしています。労務報酬下限額が条例によって決まれば、県としてそれが守られているか調査を行うことが可能になると思います。  県が発注する公共工事等の適正な賃金水準を確保するため、労働報酬下限額を規定する条項を持つ公契約条例の制定について、考えをお聞きします。 104 ◯井上忠敏委員長 古長労働政策課長。 105 ◯古長労働政策課長 公契約条例の制定についてでございますが、本来賃金などの労働条件は労使間で自主決定されるものであります。こうした原則に加えまして、労働条件の最低基準を定める最低賃金法や労働基準法などの法令との関係の整備、とりわけ最低賃金の遵守を条例で定めることの意義や、あるいは最低賃金を上回る金額での賃金条項を制定する場合には、その基準はどこに置くべきかなど、慎重に検討すべき課題があります。このため、他の自治体の取り組みについて情報収集を行いながら、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。 106 ◯高瀬菜穂子委員 情報収集を行いながら引き続き研究を進める、これも昨年と変わらない答弁なんですね。技能労働者への適切な賃金水準の確保を行政として通知も出して求めているんですよね。ところが、それが現場の労働者に反映されていないと声が上がっていても、それに対して適切になっているのかどうか調査を行うこともしない。そして、条例をつくるべきではないかと言っても、それもなかなか進まない。私は、条例をつくることで公契約を適正に行うという県の姿勢を示すことができると思うのです。  直方市に行きましたときにお聞きしましたが、直方市も最初できたときにはわずかな対象でしたけれども、それでも労働者と行政と、そして経営者が一緒になってこの問題を考えているそのことが、契約がどうあるべきなのかということを共通認識にして、市をよくしていくことにつながっていくと思います。  実効性のある公契約条例の制定に向けて、ぜひとも意欲的に取り組んでいただきたいということを、最後に求めまして、質問を終わります。(拍手) 107 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。平井一三委員。 108 ◯平井一三委員 自民党県議団の平井一三であります。  子供のスポーツ活動を支える指導環境について質問をいたします。  東京オリンピック・パラリンピックを四年後に控え、国のスポーツの振興とレベルアップを目指すスポーツ庁が設けられまして、国民のスポーツ熱は大変高まっております。国のスポーツレベルを向上させるためには、ゴールデンエイジと呼ばれる多くの子供たちがいろいろなスポーツを経験し、スポーツを好きになることで、スポーツの底辺が広がることが必要不可欠だと思っております。そして、活発なスポーツ活動に取り組んでいる中で、子供たちの才能を見出し、育てていくことが重要であると考えております。  そのためには、子供たちのスポーツ環境を整えることが必要でありますが、特に、日々のスポーツ活動の中で子供たちを指導していただいている指導者の存在は大変重要であると考えています。精神的なトレーニングではなく、子供たちの成長に沿った、スポーツ理論に基づいた指導が求められております。ここでは、子供たちにかかわりのある地域スポーツクラブと学校の運動部活動について、指導者の現状、あるべき姿、今後の県の取り組み等についてお聞きをしたいと思います。  まず初めに、地域スポーツクラブ活動についてお聞きをいたします。地域での子供たちのスポーツ指導は、体育協会公認のスポーツ指導者や、あるいは地域のスポーツ指導員、子供たちの保護者などが担っておられます。指導者に求められる専門的な知識はどのようなものでしょうか。そして、このような知識を備えるために、資格の取得や受講すべき講習会はどのようなものがあるでしょうか。また、所管の部署、団体はどのようになっているかをお聞きいたします。 109 ◯井上忠敏委員長 篠原スポーツ振興課長。 110 ◯篠原スポーツ振興課長 指導者に求められる専門的な知識といたしましては、それぞれの競技の専門的指導力はもとより、発育、発達段階に応じた指導やスポーツ障害を起こさないトレーニング方法など、スポーツ医科学に基づく知識が求められていると考えております。  指導者資格といたしましては、日本体育協会公認スポーツ指導者制度に基づきまして、初心者指導を行う指導員から、ナショナルレベルの指導を行う上級コーチなど、さまざまな資格がありまして、それぞれの資格によりまして取得に必要な講習内容、講習受講時間、また経費は異なっております。  この公認スポーツ指導者の所管でございますけれども、公益財団法人日本体育協会が所管をしております。また、県ではスポーツ振興課と教育庁体育スポーツ健康課が県体育協会と連携いたしまして、その資格取得の促進を行っているところでございます。 111 ◯平井一三委員 求められます指導者の能力、これはスポーツの種目によっても、それぞれの種目における達成レベルの状況によっても異なってまいります。スポーツを始めたばかりの子供たちへの基本的な指導があり、成長に伴うスキルアップに対応するための専門的な技術指導も必要であると聞いております。このようにレベルに応じた指導者の養成について、現状はどのようになっているのでしょうか。指導者の需給状況、指導者の養成の環境等についてお聞きをいたします。 112 ◯篠原スポーツ振興課長 各競技の指導内容につきましては専門性が非常に高いため、その指導技術につきましては各競技団体が主催いたします研修会への参加を促進しているところでございます。しかし、地域の実情を見ますと、こうした指導者としての基礎的な知識やレベルに応じた指導を行うことができる指導者の数は十分ではないと認識をしているところでございます。 113 ◯平井一三委員 今、指導者の数が十分でないとお答えがございました。しかし、競技団体主催の大会等では、有識者、指導者の存在が必須条件となっている競技もあると聞いております。  このような制度が設けられた背景にはどのようなものがあるのか。このような制度が必要であれば、指導者の数をふやし、広くスポーツ全般に普及させていくべきと考えますが、県はどのようにお考えでしょうか。 114 ◯篠原スポーツ振興課長 競技大会の参加に基づきまして、有資格指導者の存在が必須になっているということでございますけれども、これにつきましては近年、勝利至上主義に偏った指導や指導者の体罰、暴言など行き過ぎた指導、さらには非科学的な指導が、子供たちのスポーツ離れやスポーツ障害の一要因となることが危惧されております。このことから、競技団体によっては子供の実態に応じた適切な指導の普及を図るために、大会参加の際に有資格指導者の存在を義務づけるようになってきているものと認識をしております。  県としましては、指導者の皆さんに対しまして、専門的な指導力やスポーツ医科学に基づきます指導法を身につける必要があるとの認識を持っていただき、指導者資格も取得していただけるように、競技団体等関係機関、団体と連携をいたしまして働きかけを行っているところでございます。 115 ◯平井一三委員 今、指導者の皆さんに指導者資格を取得していただけるように働きかけを行っているということでございましたけども、地域のスポーツクラブの指導を行っておられますのは保護者や地域のボランティアの方が大半であります。指導者資格を取得するためには、多くの費用や日数がかかるとも聞いております。スポーツ人口をふやしていくためには、指導者の人口もふやしていく必要があると考えておりますので、指導者の養成について県はどのように取り組んでいかれるかをお聞きいたします。 116 ◯篠原スポーツ振興課長 県といたしましては、県立スポーツ科学情報センターや県体育協会と連携をいたしまして、全ての競技の指導者が最低限共通して身につけておくべき内容、具体的にはスポーツ医学に基づきますトレーニング方法やスポーツ障害の予防に関する研修会を開催することによりまして、指導者の養成を図っているところでございます。  今後もこれらの研修会をさらに充実させるとともに、地域のスポーツ指導者の皆さんに広く参加を呼びかけまして、地域スポーツ指導者の養成とその資質の向上を図ってまいりたいと考えております。 117 ◯平井一三委員 それでは次に、学校の運動部活動についてお聞きをしたいと思います。  学校の運動部活動は、広く子供たちがスポーツをする機会を確保していく上で大変重要な役割を担っていると私は思っております。それだけに、運動部活動の指導内容や到達レベルに関しても、地域スポーツ競技団体と同等であってほしいと思っているところであります。  学校の運動部活動における有資格者の配置についてお聞きをしたいと思います。学校の運動部が中体連等学校体育団体主催大会に参加する場合、あるいはスポーツ団体主催の大会へ参加する場合は、有資格者の存在が必要要件となっていないということでありますけれども、地域スポーツ競技団体が参加する場合と取り扱いが異なるのは、どういう理由からでしょうか。 118 ◯井上忠敏委員長 寺崎体育スポーツ健康課長。 119 ◯寺崎教育庁体育スポーツ健康課長 地域スポーツ競技団体と取り扱いが異なる理由でございますが、中体連主催大会では、その大会名を中学校体育大会としております。つまり、学校教育活動の一つであります体育授業の延長線上にある大会でございまして、体育振興を一つの目的とした大会となっております。また、学校の教員は、教員養成のための専門的なカリキュラムを受けて教員免許を取得しております。救急救命法や人材育成等の研修を受け、日々教育者としての資質能力を高めておりますことから、中体連大会など学校体育団体主催大会においては、スポーツ指導者としての資格を必要要件としていないものと考えております。 120 ◯平井一三委員 今、運動部活動の顧問教師は、教育者としての資質能力を高めているため、スポーツ指導者としての資格は必要ではないという御答弁がありましたけれども、それでは、運動部活動の顧問教師に求められるスポーツ指導者としての資質や能力はどのようなものでしょうか、お聞きをいたします。 121 ◯寺崎教育庁体育スポーツ健康課長 スポーツ指導者としての資質、能力でございますが、指導者は、生徒とのコミュニケーションの充実によりまして、練習の目的や内容、方法等を理解させていくことが重要であることから、コミュニケーション能力などの生徒理解に基づく指導力が必要であると考えております。 122 ◯平井一三委員 顧問教師の研修会等を通じて指導力の向上に努めているということでありますけれども、スポーツの経験のない先生が顧問をされている場合も多く、専門的な技術指導の面で物足りなさがあるといった現場の声をよく聞きます。  そのような中で、現在外部指導員が一校当たり一名、月一回派遣をされて指導に当たられていると聞いておりますけれども、これで現場のニーズに十分応えられているのでしょうか。 123 ◯寺崎教育庁体育スポーツ健康課長 運動部活動は多くのスポーツ種目があります。また、生徒の志向が、楽しみ志向でありますとか競技志向など多様でございます。顧問教員の競技経験の有無に差があることも、多様なニーズがあるというふうに考えております。このような状況から学校内の力だけでは対応が困難であるため、外部指導者を活用しまして、生徒に対する専門的な技術指導に加えまして、顧問に対して練習計画の作成、また技術指導の際のポイントなどの助言を行うこと、あるいは一名の外部指導者が複数の運動部活動を指導することなどによりまして、学校のニーズに一定程度応えることができていると認識をしております。 124 ◯平井一三委員 今、学校のニーズに一定程度応えることができているという御答弁がありましたけれども、いろいろなところで不十分であるという声を聞くのはなぜかなと思っているところで、一部のうまくいっている学校の事例ではないかとも思っております。この件につきましては、これ以上追及いたしませんけれども、実態をしっかりと把握していただいて、今後の政策に反映していただきたいと思っているところであります。  学校の先生は本当に大変忙しいということは、私も理解をしております。このような中で運動部の活動を継続していくためには、外部指導者の活用が今後の大きな課題であるとも思っております。先ほど、学校の運動部活動は学校教育の一環であると答弁がありました。指導者に相応の知識、能力も求められます。今後、外部指導者の活用について、どのように対応していく計画でしょうか。 125 ◯寺崎教育庁体育スポーツ健康課長 運動部活動は学校教育の一環でありますことから、学校の教育目標や教育方針を外部指導者に理解していただく必要がございます。そのため現在、県教育委員会では外部指導者を対象としました研修会を実施するとともに、各学校で実施します顧問会議に外部指導者を参加させるように促しております。  また、運動部活動のあり方について協議します運動部活動検討委員会を県で設置しておりまして、外部指導者活用に関する課題や効果的な実践等について検討するとともに、今後その検討内容を県内の各学校に周知をすることとしております。 126 ◯平井一三委員 次に、スポーツ振興課と教育庁の両方に同じ質問をしたいと思います。  地域スポーツクラブと学校の運動部活動では、目的や活動内容について当然異なるところがあると理解をしておりますけれども、子供たちにスポーツ指導を行います指導者の資質、能力の向上を初め、子供たちのスポーツを指導する環境整備、これは同じように進めるべきだろうと考えております。また、地域で育った指導者が学校の部活動とも連携していくような、地域と学校が一体となった子供のスポーツ活動の支援体制づくりも必要であろうと思っているところであります。  そこで質問でありますけれども、スポーツ指導者の育成と指導体制のあるべき姿、今後の方向性について、スポーツ振興課と教育庁にお聞きをいたします。 127 ◯篠原スポーツ振興課長 全ての子供たちが、学校や地域に関係なく、それぞれの発達段階やニーズに応じた適切な指導を受けることができるようにすることは県としても目指すべき姿であり、そのために指導者の養成、確保を図ることは重要であると考えております。  今、国におきましては、日本体育協会を中心に、スポーツ指導者として最低限の資質、能力を身につけることができるカリキュラムを作成いたしまして、これを公認指導者養成や教員養成系大学、また教員現職研修における導入が進められているところでございます。今後、県としましても、このカリキュラムを参考にしながら、県、そして関係機関、団体が実施する研修の充実を図ってまいりたいと考えております。  そして、地域スポーツのコーディネーター役でありますスポーツ推進員の皆さんや各競技団体等と連携いたしまして、新たな指導者の掘り起こしを行いますとともに、指導者の皆さんに研修への参加を促進し、指導者の養成、確保にも努めてまいりたいと考えております。
     また、こうした研修会によりまして養成した指導者の皆さんをリーダーバンクに登録することによりまして、学校や地域、そして指導者のマッチングを推進し、子供のスポーツ活動の環境の充実を図ってまいりたいと考えております。 128 ◯寺崎教育庁体育スポーツ健康課長 学校の運動部活動につきましては、顧問教員のみに運営指導を任せるのではなく、学校組織全体として指導体制を構築することが重要であると認識をしております。その一つとして、今後も学校だけでは補えないところについては必要に応じて外部指導者の活用など、地域と連携を図りながら指導体制を充実させていくよう促してまいりたいと考えております。  また、来年度、国が運動部活動のあり方に関する調査を行いまして、その調査結果を受け、運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインを策定する予定でございます。県教育委員会としましては、そのガイドラインの内容を踏まえ、各種研修会における研修内容の充実を図りますとともに、校内の研修会などにおきまして、関係者へ研修内容の周知を図り、顧問教員の資質向上及び外部指導者の効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。 129 ◯平井一三委員 最後に、人づくり・県民生活部長にお聞きをしたいと思います。  スポーツ振興課と教育庁体育スポーツ健康課に、今、地域スポーツクラブと学校の運動部活動について、指導者の現状、あるべき姿、今後の県の取り組み等についてお聞きをいたしました。研修会の充実や新たな指導者の掘り起こし、リーダーバンクへの登録など前向きな答弁をいただいたところでありますけれども、子供たちのスポーツ指導環境はまだまだ十分ではないと思われます。多くの子供たちがスポーツに親しみ、能力を向上させていくためには、指導者が重要な役割を担うことは申し上げるまでもないと思っております。今回の質問の中で、この指導者を育成するための系統立てた組織や制度の拡充が必要であることは繰り返し申し上げました。東京オリンピック・パラリンピックを四年後に控え、スポーツ振興に国を挙げて取り組んでいる今、指導者の育成環境の整備に県としてもしっかりと取り組んでいただくべきだと考えますけれども、部長の考えをお聞きいたします。 130 ◯井上忠敏委員長 森人づくり・県民生活部長。 131 ◯森人づくり・県民生活部長 県といたしましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、県民のスポーツ振興を図る絶好の機会と捉えております。このため、現在キャンプ地誘致を初め、さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。  委員から御指摘がありましたとおり、子供たちのスポーツ環境を充実させるためには、しっかりとした知識、そして指導技術を持つ指導者の存在は不可欠でございます。特に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、世界のトップアスリートの育成環境を知ることができる機会がふえるわけでございます。そういった点から、指導者の皆さんにとりましても、自身の指導のあり方を見直す機会がふえるわけでございます。  県といたしましても、この機会を逃すことなく、県の体育協会、あるいは関係団体とも連携を図りまして、課長がるる申し上げましたが、研修体制の充実など指導者の養成、確保に取り組み、子供たちがそれぞれの発達段階やニーズに応じた指導を受けることができる環境の整備にしっかりと強力に努めてまいりたいと考えております。 132 ◯平井一三委員 部長から指導環境の整備を進めていくという強い御答弁をいただきました。本当にありがたく思っています。  東京オリンピック・パラリンピックまであと四年、この四年間で、スポーツ指導者育成の環境整備を整えていかなければならないと思っております。限られた時間内に実現するためには、これからの予算措置、それから強いリーダーシップが必要であろうと思っているところであります。小川知事にもしっかりとこの件をお聞きしたいと思いますので、知事保留質疑をよろしくお願いいたします。 133 ◯井上忠敏委員長 ただいま平井委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月四日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 134 ◯平井一三委員 終わります。(拍手) 135 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。大田京子委員。 136 ◯大田京子委員 民進党・県政クラブ県議団の大田京子です。  通告に従い、生活保護世帯における放課後児童クラブ利用料控除制度について、お聞きいたします。  現在県内には千二百五十カ所のクラブがありますが、その利用料は月額二千円から六千円であり、生活保護受給世帯には重い負担となります。そのため、放課後児童クラブ利用料が就労にかかわる必要経費として、生活保護の収入認定において控除されるようになっております。しかしながら、さきの六月定例会で、我が会派の堤議員の代表質問において、この控除制度が十分に周知されていなかったために、クラブの利用を諦めていた世帯があることがわかりました。さらに、その後の調査で、現在放課後児童クラブを利用している生活保護世帯において、利用料控除の申請がなされていない世帯が多数存在することが明らかになりました。このことは大変ゆゆしき事態であり、看過することはできません。  そこで、今回は生活保護費の収入認定の仕組みを確認することから始め、今後同様の事案が発生しないように再発防止策までを質問してまいります。  初めに、生活保護収入認定の仕組み、放課後児童クラブ利用料控除の状況、保護のしおり別冊の三つについて、資料を要求しておりますので、委員長、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。 137 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま大田委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 138 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま大田委員から要求がありました資料については、提出できますか。小野保護・援護課長。 139 ◯小野保護・援護課長 直ちに提出いたします。 140 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 141 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 142 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、大田委員、質疑を行ってください。 143 ◯大田京子委員 それでは、資料一枚目の生活保護の収入認定の仕組みについて、簡単に御説明をお願いします。 144 ◯小野保護・援護課長 それでは、お手元の資料の一ページをごらんください。生活保護費の仕組みについてでございますが、国が定めた保護基準により算出した最低生活費、この資料の上段の図の1)、仮に十五万円としております。これと、その世帯の収入、図の2)、仮に十万円としております。これらを比べまして、最低生活費より収入が少ないときに、その不足分が生活保護費として支給されることとなっております。  収入がない場合につきましては、1)の最低生活費十五万円がそのまま支給額となります。収入がある場合につきましては、2)のとおり、生活保護費の支給額は、最低生活費の十五万円から収入額の十万円を差し引いた五万円となります。  また、この収入を得る際に、3)のように必要経費があれば、収入からその分を控除した金額が収入とみなされます。この例で申しますと、必要経費が仮に五千円でありますと、十万円の収入からその五千円が控除され、収入として認定される額は九万五千円となりますので、生活保護費の支給額は、最低生活費十五万円から収入認定額九万五千円を差し引いた五万五千円となります。必要経費と認定される項目は、下の段の四角囲みのとおりでございまして、放課後児童クラブ利用料もこの必要経費の一つとなっております。 145 ◯大田京子委員 御説明ありがとうございます。簡単に申し上げますと、就労に伴う必要な経費がどのくらいあるのか申請をすれば、その分、生活保護支給額もふえるということかと思います。  そこで、改めて必要経費の一つに上げられている放課後児童クラブ利用料について、どのような申請状況だったのか見ていきたいと思います。  資料の二枚目をごらんください。これは生活保護世帯の放課後児童クラブ利用料控除の状況になります。左から見ていただきますと、生活保護世帯において、小学生がいる世帯が二千百二世帯とあります。次に、そのうち放課後児童クラブを利用している世帯が百九十九世帯、利用料自体は免除になっている世帯が百十世帯となっております。  問題は次からですが、利用料控除の対象世帯八十九世帯とあります。実際に利用料が控除されている世帯は、次の囲み、四十八世帯となっております。つまり、この利用料控除対象であるにもかかわらず控除申請がなされていない世帯が、次の利用料未控除世帯になりますが、単純に八十九引く四十八の四十一世帯あったことがわかりました。必要経費として申請していれば、保護支給額がその分ふえるわけですから、この制度を知っていたら当然申請していたものと考えます。つまり、行政側の周知不足によって、本来支給されるべき保護費を受け取れなかった世帯が四十一世帯あり、これはまさに行政の不作為とも言えると思います。まずは、このことについてどうお考えか、お聞かせください。 146 ◯小野保護・援護課長 福祉事務所におきまして、就労収入の認定に当たり、本来控除されるべき放課後児童クラブ利用料について控除されていなかった世帯があったことにつきましては、県及び市の福祉事務所を指導する保護・援護課の立場といたしまして、大変重く受けとめております。したがいまして、速やかに福祉事務所に改善を指示するとともに、再発防止策をとったところでございます。今後はこのようなことが起こらないようにしっかりと努めてまいります。 147 ◯大田京子委員 今回の事の重大性を御認識いただき、大変重く受けとめていただいていることはわかりました。  では、再発防止に向けて、次の質問に移りたいと思います。そもそも今回の原因は周知不足とはいっても、具体的にどの段階で、どのような問題があったとお考えでしょうか、詳しくお聞かせくだい。 148 ◯小野保護・援護課長 放課後児童クラブ利用料の控除申請がなされていない世帯があった原因につきましては、まず保護開始時でございますが、福祉事務所が生活保護世帯に対して、この放課後児童クラブ利用料が必要経費として控除される対象であることを認識していただく取り組みが十分でなかったことがございます。また、生活保護世帯におきまして、これは保護開始後でございますが、就労、子供の進学、家族構成といった状況が変化した際に説明が十分に行き届いていなかったこと、これが原因であると考えております。 149 ◯大田京子委員 具体的には福祉事務所への周知不足、そして、生活保護世帯への説明が不十分であったとのことでした。  今回のことは、二度と発生させてはいけない事案だと思っております。今後どのような対策をとるのか、また既に具体的に対策をとったことがあれば、あわせてお答えください。  なお、この質問については、関係部局であります生活保護所管部局、放課後児童クラブ所管部局、それぞれからお答えをいただきたいと思います。 150 ◯小野保護・援護課長 生活保護部局側といたしましては、今回の事案を踏まえ、放課後児童クラブ利用料控除について記載した保護のしおり別冊を作成したところでございます。その上で、本年六月二十四日に保護課長会議を開催し、県福祉事務所に対し、このしおりを生活保護世帯に配付すること、特に就労収入のある世帯については、しおりを手渡した上で利用料控除について説明するよう指示いたしました。また、市の福祉事務所に対しましては、同様の取り組みをするよう依頼したところでございます。さらに、生活保護世帯の状況に応じた懇切丁寧な対応をするよう、これまでも生活保護業務に当たる職員の研修会などで指導をしてきておりますが、今後もこのことを徹底してまいりたいと考えております。 151 ◯井上忠敏委員長 八木青少年育成課長。 152 ◯八木青少年育成課長 放課後児童クラブを所管しております部局といたしましては、この利用料控除制度について、クラブの設置主体であります市町村に対し、市町村がクラブ利用者のために作成しております利用の手引に控除ができる旨の内容を記載するよう、文章例を具体的に提示した上で、七月に文書で依頼をいたしました。さらに、八月に開催しました事務担当者会議におきまして、市町村の担当者に対し、生活保護の制度上、利用料が就労に伴う必要経費として控除の対象になっていることを丁寧に説明した上で利用の手引へ記載するなど、さまざまな機会を通じてクラブの利用者へ周知をしていただくよう依頼したところでございます。今後とも、放課後児童クラブの利用料控除制度につきまして、あらゆる機会を捉えて周知してまいりたいと考えております。 153 ◯大田京子委員 ぜひ先ほど御答弁されたことを実行していただいて、二度と同じような事案が発生しないように徹底していただきたいと思います。  これまでのやりとりで、原因と対策についてはわかりました。しかし、今回既にわかっている申請をされていなかった四十一世帯に対しては、どのような対応がなされるのでしょうか。こちら側としましては、福祉事務所が利用料を返還する、もしくはその分の生活保護費を支給すべきと考えます。その点についていかがでしょうか。 154 ◯小野保護・援護課長 今回の事案への対応についてでございますが、生活保護制度におきましては、原則として申請月から、その前々月までを限度に生活保護費の変更決定を行いまして、必要額を支給することとなっており、二世帯を除いては、この対応を完了させたところでございます。残る二世帯につきましては、生活保護世帯のほうからの必要書類の提出を待っておったところでございますが、今月中には福祉事務所における事務手続を終えまして、十二月に支給される生活保護費に反映することで対応を完了する見込みとなっております。 155 ◯大田京子委員 今回の対応では、申請月からさかのぼるのは前々月までとのことです。十二月までに完了するという御答弁でしたが、生活保護制度にのっとっての対応でございます。私としましては、本来は放課後児童クラブの利用が始まった月から申請がなされていなかった月までの利用料を全額返還すべきだと考えます。しかしながら、制度上いたし方ないことは理解いたしますが、指摘をさせていただきたいと思います。今後は、一生懸命頑張っておられる方が不利益をこうむることがないようにしていただきたいと思います。  さて次に、必要経費について詳しく見ていきたいと思います。生活保護制度上、就労に伴う必要経費として控除の対象となる項目は、先ほどの資料の一枚目に記載されておりますように、今回取り上げた子の託児費のほかにも、通勤交通費や社会保険料など複数ございます。これらの項目についての周知は十分行き届いているのかどうか、お答えください。 156 ◯小野保護・援護課長 就労収入がある場合に必要経費として控除の対象となる通勤交通費あるいは社会保険料、これらについては、就労を開始したときに福祉事務所のケースワーカーが口頭で説明をしております。しかしながら、今回の事案を踏まえまして、生活保護世帯への周知をより徹底するため、さきに説明した保護のしおり別冊に、放課後児童クラブ利用料以外の各種控除項目についても記載をした上で、生活保護世帯に配付、説明を行うよう、福祉事務所に指示及び依頼をしたところでございます。 157 ◯大田京子委員 保護のしおり別冊を作成していただき、なお、託児費についても記載をしていただいたということでございました。これまでの課長の答弁からも、今後の対策についてはしっかりとわかりました。  最後に、部長にお聞きします。知事は、さきの六月議会での御答弁でこのように言われております。現にこの控除制度が活用されていない事例があるとの御指摘もあっており、それが事実とすれば大変遺憾に思っているところでありますと言われております。今回残念ながら、この事案があったことがわかりました。ぜひ部長には、知事に成りかわったおつもりで、今後の再発防止に向けた御決意を伺いたいと思います。 158 ◯井上忠敏委員長 小山福祉労働部長。 159 ◯小山福祉労働部長 就労収入がある場合の必要経費の控除につきましては、生活保護世帯の就労による自立を促すことにつながる仕組みでございます。特に放課後児童クラブの利用料の控除につきましては、就労の自立だけにとどまらず、クラブの利用を促進することによりまして、その子供さんの健全な育成にも役立つものであると考えております。こういったことを踏まえまして、先ほど保護・援護課長、また青少年育成課長が答弁いたしましたとおり、保護のしおり別冊及び放課後児童クラブの利用の手引、その双方に利用料の控除があることを記載を行うことによりまして、制度の周知を図ったところでございます。  今後は今回のようなことが決して発生することがないよう、放課後児童クラブ所管部と一層連携を図りますとともに、その他の控除項目の取り扱いも含めまして、生活保護制度の適正な運営にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 160 ◯大田京子委員 しっかりとした御決意をいただきまして、ありがとうございます。  子供の貧困問題がこれだけ取り沙汰されている昨今でございます。経済的理由で放課後児童クラブを利用したくても利用できなかった世帯があったこと、また本来支給されるべき保護費を受け取れなかった世帯があったこと、改めてこの事実を重く受けとめ、全ての子供たちが安心して暮らせる社会づくりに力を入れていっていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。(拍手) 161 ◯井上忠敏委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後一時五十分をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 零 時 五 十 一 分 休 憩    午 後 一 時 五 十 分 再 開 162 ◯井上忠敏委員長 ただいまから、委員会を再開します。  なお、本日報道機関からテレビカメラ等の撮影について申し出があっておりますので、これを許可いたしております。御了承願います。  休憩前に引き続き、議事を進めます。浜崎達也委員。 163 ◯浜崎達也委員 公明党の浜崎達也でございます。  今回は、発達障害を持つ子供の早期発見のための五歳児健診等について、保健医療介護部、福祉労働部並びに教育庁にお尋ねいたします。  私は、二月の定例会の代表質問で、五歳児健診を質問しました。知事は、五歳児健診の有効性というものが必ずしも明らかになっていない現状のもとでは、就学時健診に加え、その一年前に新たに健診を実施するかどうかにつきましてはよく検討していく必要がある、このように考えておりますとの答弁でございました。  そこで、県が健診の主体者でないことは重々承知しておりますけれども、何とかこの五歳児健診を市町村で進めるために、先日、私たち公明党県議団は、東京方式で五歳児健診に取り組んでいる東京都葛飾区に視察に行ってまいりました。その視察も踏まえ、きょうは質問させていただきます。  まず一点目でございますが、発達障害児の発見につながる現在の乳幼児健診の年齢と内容を教えてください。 164 ◯井上忠敏委員長 岩本健康増進課長。 165 ◯岩本健康増進課長 市町村におけます発達障害の早期発見を可能とする乳幼児健診には、一歳六カ月児健診及び三歳児健診があります。一歳六カ月児健診及び三歳児健診は、母子保健法に基づき市町村が実施するもので、その健診内容も同法に定められております。  健診内容の中で、発達障害に関する検査項目としましては、精神発達の状況、言語障害の有無、育児上問題となる事項、その他の疾病及び異常の有無があります。保健師等の専門職がこれらの項目について問診し、保護者から日ごろの子供の様子や子育てで気になることがないかなども聞き取ります。それらの結果を踏まえ、身体発育状況を見ながら医師が診察を行い、総合的に子供の状況を判断します。 166 ◯浜崎達也委員 今お答えいただいた一歳半と三歳児の健診で発達障害の子を発見できるのかどうか、再度お答えください。 167 ◯岩本健康増進課長 発達障害の子供は、見た目には障害があることがわかりにくいということがございますし、また障害の内容、重症度によりましては、健診の場だけでは発見が難しい場合があります。このため、市町村におきましては、健診で発達障害が疑われた事例につきまして、市町村や保健福祉環境事務所が行っている発達相談や療育訓練につなげたり、幼稚園や保育所と連携をとり合いながら経過を確認しております。 168 ◯浜崎達也委員 今の答弁では、発見が難しい場合がありますという答弁がございましたが、では次に、乳幼児健診で得た発達障害の疑いがあるという情報が就学時健診で生かされているのか、お答えください。 169 ◯岩本健康増進課長 市町村によっては、三歳児健診等で発達障害が疑われ、経過を観察している事例につきまして、保護者の同意を得た上で、就学児健診の際にその情報を医師や学校関係者にも提供しているところでございます。 170 ◯浜崎達也委員 今、大事なのは保護者の同意を得た上でということが非常に大事かなとも思いますが、がですね、現場で聞きますと、乳幼児健診にどのくらいその情報が行っているか、これは甚だ疑問かなというのがございます。  次に、教育庁にあらかじめ資料を請求しております。テーマは、通級指導教室在籍児童数の推移の実例でございます。委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。 171 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま浜崎議員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 172 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま浜崎委員から要求がありました資料については提出できますか。相原義務教育課長。 173 ◯相原教育庁義務教育課長 直ちに提出します。 174 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 175 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 176 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、浜崎委員、質疑を行ってください。 177 ◯浜崎達也委員 それではまず、簡単に課長から説明をお願いします。 178 ◯相原教育庁義務教育課長 この資料は、比較的規模の大きな市の通級指導教室における自閉症等の障害種ごとの学年別在籍者数の推移でありまして、この中での縦の矢印は、学年の進行に伴います人数の変化をあらわしております。これによりますと、比較的低い学年において、学年進行に従って在籍者数の増加が見られ、特に発達障害のある児童が在籍する学習障害等の教室におきまして、その傾向が顕著となっております。 179 ◯浜崎達也委員 今説明がございました。これは福岡県内でも政令市に次ぐぐらいの大きな市での資料だと聞いていますが、皆さんもごらんになってわかるように、学習障害・注意欠陥多動性障害(LD・ADHD)のところ、二十五年度、一学年が五、平成二十六年度二学年が六、これは持ち上がりですから。二十七年度、三年目には十二名にふえています。  私がこれを何で出していただいたかというと、先ほどの答弁で、しっかりした情報が健診で行っていれば、一年生のときからこの通級に行っている可能性が高いわけですね。ところが、集団生活で、さまざま発達障害の難しさもあります。そういう中で、平成二十七年度をごらんになるとわかるように、平成二十五年度からしたら倍ぐらいになっています。トータルでも八十一名が百十六名、このような感じで、一年生、二年生、三年生、四年生、五年生とずっと増加傾向でございます。であれば、早期発見、いわゆる就学前にわかって、一年生からしっかり通級すれば、早期療育もできます。そういう意味で、この資料を出していただいたところでございます。  さて、冒頭述べました葛飾区の取り組みの一端を紹介します。葛飾区の五歳児健診の実施要綱の中に、五歳児健診の事業目的は、三歳児健診と就学時健診の間に五歳児の健診を行い、健やかな身体発育の確認と、現行の健診では限界があるとされる発達障害の発見の機会とすると載っております。これは主体が東京都医師会で、実施内容、中身ですけれども、五歳児のいる保護者に、まずアンケート調査をします。気づきのある子供のピックアップ、そして、その子供の幼稚園や保育園での集団遊びの観察、その中で受託医療機関での医師の診察、そして、区より保護者への結果説明という流れで、約半年近くかけてやっております。  こういう非常に手間のかかる健診でございますけれども、もし県内の市町村が葛飾区のように五歳児健診に取り組む意向を示した場合、県として試行的にでも市町村に対して財政支援を行うべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
    180 ◯岩本健康増進課長 現在五歳から六歳の幼児を対象に就学時健診が実施されているところです。五歳児健診の実施については、専門の医師の確保などの課題もあり、五歳児健診による発達障害の早期発見に関する有効性が、国の研究では必ずしも明らかになっておりません。また、現在の一歳六カ月児健診及び三歳児健診は、市町村の事務として地方交付税措置されております。このような状況のもとで、市町村が任意に行う五歳児健診につきまして、県として財政支援を行うことは難しいと考えております。 181 ◯浜崎達也委員 二月の代表質問の答弁の域を超えないところでございます。  ところで、代表質問のときに、この発達障害に関しての答弁で、一昨年度は相談対応マニュアルの作成、昨年度からは保育士、幼稚園教諭を対象とした研修会を実施しているとありました。  ここで、この保育士、幼稚園教諭の皆さんの県内の反応はいかがだったか、教えてください。 182 ◯井上忠敏委員長 西原障害者福祉課長。 183 ◯西原障害者福祉課長 御指摘の相談対応マニュアルでは、発達障害の特徴、子供の様子、気づきのポイント、支援のヒントを記載しております。具体的な事例を踏まえた研修とあわせまして、今後、保育所、幼稚園での対応に生かしていきたいという声がございました。研修会につきましても、具体的な事例をもとに発達障害児への対応や保護者に対する支援が学べるなど有効であったと、おおむね肯定的な評価をいただいております。 184 ◯浜崎達也委員 五歳児健診に、直接ではないですけれども、そうやって県としても若干は取り組んでいると、それが少し見えるんですが、今年度実施する医師、保健師を対象とした研修会の内容はどうなっているのか、お答えください。 185 ◯西原障害者福祉課長 研修は、発達障害の診療や乳幼児健診にかかわる医師、保健師を対象としまして、発達障害児の早期発見のポイント、発達障害児及びその保護者の方に対する支援のあり方、症例の紹介などについて、県の医師会と協力して実施するものでございます。 186 ◯浜崎達也委員 今るる述べていただきましたけれども、県として発達障害の早期発見に向けて、この三年間の研修、または相談対応マニュアル等、どのような効果を出そうとされているのか、お答えください。 187 ◯西原障害者福祉課長 相談対応マニュアルの配付と、保育士、幼稚園教諭に対する研修は、幼児と接する機会の多い人たちが発達障害の兆候に早く気づくことが大切であるという認識のもと行っているものでございます。医師、保健師に対する研修は、発達障害の診療ができる医療機関をふやすことや、市町村における発達障害児に対する相談機能の充実のために実施するものでございます。保育や幼児教育の現場での気づきを、発達障害が診断できる医療機関や市町村の相談窓口につなぎ、早期の発見、診断、ケア開始を可能とすることで、発達障害の重度化の回避を図ることができるものと期待しておるところでございます。 188 ◯浜崎達也委員 県としても、発達障害に関しての取り組みが全くされてないとは言いません。あともう一歩なんですね。五歳児健診を、県が市町村の手を挙げたところに試行的にやらせるとか、先ほども質問しましたけれども、そういう取り組みさえやれば、これは進んでいくと思うんですね。  そこで最後に、私は五歳児健診を行い発達障害の早期発見の機会にすることは大変重要であると考え、この五歳児健診について、改めて松本部長に答弁願います。 189 ◯井上忠敏委員長 松本保健医療介護部長。 190 ◯松本保健医療介護部長 この五歳児健診をしますと発達障害の早期発見に有効だと、これは国でも研究しておるわけですけれども、必ずしも明らかになっていません。また、やるとなりますと、専門医の確保でありますとか手間が随分かかるというお話もございました。そういった状況でございますので、私としましては、健診において発達障害が見つかるのであれば、それはもろちん重要だと思いますけれども、その一方で、日ごろ子供さんたちに接している方が発達障害に気づかれることも大事と思っております。  私どもは、一歳児半、三歳児、就学前、この三回の健診の機会に、御家族に、子育て応援団というパンフレットを配っております。その中で発達障害の基本的な知識であるとか、あるいは相談の窓口などを御案内いたしております。また、保育園の保育士さん、あるいは幼稚園の教諭の方に対する研修等もやっております。これらの取り組みを通じまして、子供の身近におられる御家族、あるいは関係者の皆様の気づき、御理解、こういったことを通じまして、発達障害の早期発見をしっかり支援してまいりたいと考えております。 191 ◯浜崎達也委員 きょうは教育長に余り質問していません。教育長はここにも座っていませんので、またの機会にしたいと思うんですが、きょうわかったことは、葛飾区に行ったときもそうでありますが、発達障害は専門性を有するマンパワーが必要だということがよくわかりました。やはりわかっている医師、保健師さん、臨床心理士さん、また問題意識を持った保育士、幼稚園教諭、多岐にわたるマンパワーが必要であるということが葛飾区に行ってわかりました。葛飾区で言われたのは、県と市の支援は何か、それはやはり人件費ですと。市町村が取り組むとしたら一番かかるのは人件費でありますと。その答えを聞いたときに、県として何ができるかというと、やはり五歳児健診を推奨するためには予算が必要であります。また、きょう答弁していただいたように、障害者福祉課、教育庁、それから健康増進課とさまざま、医療、福祉、教育と多岐にわたっておりますので、この問題は横断的な取り組みが肝要であると思います。  委員長、ぜひ知事にこのことを再度伺ってみたいと思いますので、知事保留の質疑をよろしくお願いいたします。 192 ◯井上忠敏委員長 ただいま浜崎委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月四日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。 193 ◯浜崎達也委員 以上でございます。ありがとうございました。(拍手) 194 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。板橋 聡委員。 195 ◯板橋 聡委員 私の地元みやま市を含む県南地域は、肥沃な筑後平野に広がる農業地帯であり、農業こそが地域の強みを生かす基幹産業です。県においても、地域農業の振興を重点的な課題として捉え、園芸の振興や新たな担い手の育成に力を注いでいるところでもあります。農業生産は、自然の恵みにもたらされていることは申すまでもないことですけれども、適地適作という言葉があるように、長い歴史の中で、その地域の気候、風土に合った作物が選定され、創意工夫のある農業が営まれています。  一方、農業生産は自然との闘いでもあります。平成二十四年七月、九州北部を豪雨が襲い、矢部川や沖端川が決壊し、甚大な被害が発生しました。ことしを振り返っても、年明け早々には記録的な低温と大雪、梅雨明け以降は真夏日や熱帯夜が続き、全国的には大型台風や集中豪雨による被害が相次ぎました。また、局地的な竜巻が発生し、本県においても大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。このような気候変動と農業被害について、近年過去の経験則が当てはまらないような例がふえているだけに、農家の方々の大きな不安材料となっているようです。今回は、この異常とも言える気候変動への対応について質問いたします。  まず、夏の高温についてであります。私の地元に近い大牟田市の観測地点のデータを見ますと、ことしの八月の平均気温は二十八・九度、観測史上一位、さらに、ことしは三十五度を超える猛暑日が二十三日、三十度以上の真夏日は八十六日と、数字の上からも記録的な暑さであったことがうかがえます。  そこで、高温が影響する代表的な作物として水稲や果樹を聞き及びますが、具体的にどのような影響があるのかお答えください。 196 ◯井上忠敏委員長 坂井農林水産政策課長。 197 ◯坂井農林水産政策課長 お答えします。  水稲では、米の中心部が白い、未熟な米の発生、果樹ではブドウの着色不良、温州みかんでは果皮と果肉が離れる浮き皮や日焼け果などが発生いたします。 198 ◯板橋 聡委員 それでは、この高温に対応するために県はどのようなことを行っているのか、まず水稲についてお答えください。 199 ◯坂井農林水産政策課長 県では、元気つくしや実りつくしといった高温に強い品種を開発するとともに、現地への普及を進めております。また、田植え時期をおくらせたり、穂が出る前の追肥料をふやす肥培管理や、穂が出た後に水を切らさない水管理といった栽培管理の指導も行っております。 200 ◯板橋 聡委員 では一方、果樹ではどのような取り組みを行っているのかお答えください。 201 ◯井上忠敏委員長 鐘江園芸振興課長。 202 ◯鐘江園芸振興課長 県では、普及指導センターの指導のもとに、温州みかんの浮き皮の原因となります果皮の肥大を防ぐために生育調整剤を使いまして、その浮き皮を軽減する技術、また、ブドウにおきましては果実の着色をよくするために、幹の表面の樹皮の一部を切り取ることによりまして、果実への養分の移行を促す技術の導入などを進めているところでございます。 203 ◯板橋 聡委員 県が高温にも耐える新たな品種の開発、また、高温による障害を軽減するための栽培技術対策を進めていることはわかりました。  さらに、先を見越した対応も必要ではないかと思っております。それは、高温というより温暖化への積極的な対応についてであります。県内における気温データを見ますと、一九八〇年代、およそ三十年前と比べ、平均気温は一度を超える上昇となっているようです。平均気温が一度高くなるというのは、地点で申しますと宮崎や鹿児島あたりの気温に当てはまると考えられます。  冒頭にも申し上げましたように、農業生産には適地適作といった地域に合った作物を選択することが重要と考えます。気象庁が各地域の気象の将来予測をしていますが、これによると、百年後の本県の平均気温は今よりさらに三度近く上昇すると見込んでいます。このように今後とも温暖化が進むとなれば、農業場面においても、これまで南方の温暖な地域で栽培されてきた、例えばマンゴーやドラゴンフルーツといった亜熱帯果樹も将来的には本県の新たな品目として期待できるのではないかと思うところです。これらの作物は、既に宮崎県を初め本県でもわずかに生産されているものの、現時点では輸入品が中心であるようです。しかし、温暖化の進行を逆手にとり、安全・安心で高品質な国産品として販売されれば、消費者の方々にも十分に受け入れられるのではないか、そういった備えを始めてもいいのではないかと考えるところです。  そこで、これまでこのような亜熱帯果樹について何らかの取り組みがなされているのか、お答えください。 204 ◯鐘江園芸振興課長 亜熱帯果樹は低温に弱く、そして、夏場も風雨を避ける必要がありますため、台風にも耐えるハウスを用いて十分な温度を保った加温栽培が必要となります。例えばマンゴーでは、冬場の管理温度を最低八度、花がつきます二月以降は最低二十度程度を確保する必要ございます。このため、宮崎県を初めとした温暖な地域と比較しまして、本県は暖房経費などのコストがより多くかかりますことから、これまで積極的に推進したことはございません。 205 ◯板橋 聡委員 これまでは確かにそうかもしれません。亜熱帯果樹の栽培では非常に暖房費が問題になるのはよくわかりますけれども、少なくとも試験研究くらいはしておく必要があるのではと考えますが、いかがでしょうか。 206 ◯坂井農林水産政策課長 国は、昨年度策定いたしました気候変動の影響への適応計画において、今後温暖化の進展により、マンゴーやアボカドなどの亜熱帯果樹の施設栽培が可能となる地域が拡大することが予想されることから、これらの果樹の導入実証に取り組むこととしております。  具体的には、本年度から国が中心となり、千葉県などで、南西諸島での栽培が中心であったパッションフルーツ、ほとんど栽培が行われていなかったアボカドについて、関東以西でもハウス施設の導入により栽培が可能となる技術の開発に取り組んでおります。このように、国において亜熱帯果樹の試験研究が始まったことから、本県でもその情報を収集し、農家が活用できる技術情報の提供に努めてまいります。 207 ◯板橋 聡委員 もちろん情報の収集は進めてもらわなければならないと考えますけれども、そうした先進的な技術を活用することによって、実際に生産を開始するような意欲ある農家が出てきた場合、ハウス施設の導入に対する支援は受けられるのでしょうか。 208 ◯鐘江園芸振興課長 ハウス施設などの整備を支援いたします高収益型園芸事業は、市町村が地域で重点的に振興する作物と位置づけた品目を対象としておりまして、例えばマンゴーを事業の支援対象とする場合、マンゴーがその地域の振興作物とされている必要ございます。また、事業の採択に当たりましては、生産技術や販売方法、経営の計画が成立するかどうかなどの審査を行うこととなります。 209 ◯板橋 聡委員 なかなか今、こういった亜熱帯果樹の場合は非常に支援が受けにくいという答えだと思いますけれども、例えば、アボカドなんかは高齢の方でも取り組みやすいというお話があるそうです。そして、目新しい果樹、パッションフルーツのようなものは、新たに若者が就農したいという動機づけにもなるのではないか、そういった担い手育成にもつながる可能性が大いにあると思います。このような取り組みは地域の将来を見越して、少々のリスクは承知の上で前向きに進もうとする意欲ある取り組みだと私は評価しております。県としてもしっかりサポートしていただくよう強く要望いたします。  次に、台風対策についてです。近年最大瞬間風速が五十メートルを超えるような勢力の強い台風が目立ちます。そうした台風に対しても備えあれば憂いなしであります。特にハウス施設については、近年経営を強化するために周年的な生産、つまり台風シーズンにもハウスでの栽培を行うケースがふえているようであり、台風にも耐え得る強度を持ったハウスを導入したいとの現場ニーズが拡大しております。  そうした動きを背景に、私は本年三月の予算特別委員会で、産地の競争力を強化するため、政府が創設した産地パワーアップ事業の積極的な活用をただしましたが、高収益型園芸事業とあわせて実施することで、多くの農家の意欲ある取り組みに応えていく旨の答弁をいただいたところであります。この事業で生産されるハウスは、風速五十メートルにも耐える強度の高いハウスであり、建設コストもそれに比例するかのように割高になると聞き及んでおります。  そこで、実際に本年度の産地パワーアップ事業で整備するハウス施設の要望はどうだったのか、また、その要望に対応できているのか伺います。 210 ◯鐘江園芸振興課長 御指摘いただきましたように、近年県内ではコマツナ、それからミズナ、こういった葉物野菜を初め、トマトや菊の産地におきまして、周年的な生産、そして雇用の導入による規模拡大が進められております。本年度の産地パワーアップ事業で整備いたします台風に耐えるハウス施設の要望は、そうした産地から約十七ヘクタールとなりましたが、この全ての要望に対応しているところでございます。 211 ◯板橋 聡委員 台風対策については今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  冒頭指摘しましたとおり、最近の気候は、夏場の高温、冬場の低温を初め、集中豪雨、台風、竜巻などなど極端な現象に遭うことが珍しくなくなってきており、そこに生活する人にとっても農作物、あるいは家畜に、いろんな備えが欠かせなくなってきております。そういった備えの中、本日指摘させていただいたとおり、将来を見越して亜熱帯果樹のような新たな作物を導入していく、そのような新たな取り組みを開始することにより、若者を初め新たな農業に興味を持つ人、就農しようする人も出てくるかもしれません。気候変動のスピードにまさる、迅速かつ柔軟な対応が必要と思うところでもあります。  最後に、農林水産部長より、近年の気候変動に対応した農業施策について、考えをお聞かせください。 212 ◯井上忠敏委員長 小寺農林水産部長。 213 ◯小寺農林水産部長 気候変動につきましては、委員御指摘のように、たび重なる集中豪雨、それから勢力の強い台風、異常な高温など、農家の方々にとりましては大きな不安材料となっております。県としましては、この不安材料に対して一つ一つ丁寧に対応していくことによって、農家の方が意欲を持って営農が継続できるようにしたいと考えております。  そのために、先ほどから課長が申し上げてきましたように、温暖化に対応した品種の開発や技術指導、それから、台風にも耐え得るようなハウスの整備、そういうものに取り組んでいるところでございます。  今後とも、今委員からもお話がありました新たな取り組み、新たな品目を導入しようとするなどの意欲ある農家の方々の声、現場の声、そういうものに耳を傾けまして、引き続ききめ細かな情報提供、技術指導を通じまして、気候変動と現場の動きに対応できるように、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 214 ◯板橋 聡委員 前のめりぐらいの気持ちで取り組んでいただいて、県の新たな農業の可能性をぜひ発掘していただきたいと思います。  さて、今気候変動に関してるる質問させていただきましたけれども、気候変動問題に関する環境部のかかわりとは一体何でしょうか。 215 ◯井上忠敏委員長 佐竹環境保全課長。 216 ◯佐竹環境保全課長 今まで委員御指摘がありましたように、本県におきましても、気温の上昇、それから猛暑日の増加、集中豪雨や台風によります被害があらわれておりまして、具体的には高温による農作物の品質低下、それから四年前の九州北部豪雨に見られます大雨による中小河川の増水、氾濫、耕地の流出、埋没、それから、今年五月から九月までの間に二千人を超える熱中症の救急搬送など、地球温暖化が原因と考えられます気候変動の影響が既に顕在化している状況でございます。  これらに対応するためには、農業の分野では、高温条件下での水稲、果実、これらの品質・栽培技術の開発、自然災害の分野では、土砂災害の防止のための防災施設、それから水害防止の堤防等の整備やハザードマップの見直し、それから健康の分野では、県民、特に熱中症弱者と言われます高齢者、子供に対する熱中症予防の普及啓発など、これらの対策の検討が必要になっている状況であります。このような地球温暖化によります気候変動の影響は、県民生活や経済活動に大きな影響を及ぼすことから、地球温暖化対策は最も重要な環境問題の一つであると考えております。  このため、地球温暖化対策としまして、温室効果ガスの排出削減であります緩和策、それから気候変動の影響による被害を最小化、あるいは回避するための適応策につきまして、県民、事業者、行政などの各主体が積極的に取り組むための指針となります福岡県地球温暖化対策実行計画を今年度中に策定することとしております。 217 ◯板橋 聡委員 課長、私の質問を聞いていましたか。気候変動問題に関する環境部のかかわりとは一体何ですかという話を聞いたんですよ。えらい長いこと説明されて、二十分しか持ち時間がないのに、今の時間、ちょっと時計消させてください。もう一回。 218 ◯井上忠敏委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡明、的確に行ってください。 219 ◯佐竹環境保全課長 最後申し上げましたように、このように地球温暖化による気候変動の影響といいますのは、県民生活や経済活動に大きな影響を与えるということで、最も重要な環境問題の一つであると考えております。そのために、環境部としまして今回、福岡県地球温暖化対策実行計画を定めまして、その対策を進めていくということでございます。 220 ◯板橋 聡委員 つまり、環境部が県として気候変動問題に対して主体的に取り組むという理解でいいですか、部長。 221 ◯井上忠敏委員長 野田環境部長。 222 ◯野田環境部長 今御指摘のとおり、環境部が主体となりまして、今、温暖化対策の実行計画をつくっておりますので、各部局の皆さん方には、その会議におきまして、温暖化対策の重要性や必要性を十分認識していただいて、いろいろ検討しておるということでございます。 223 ◯板橋 聡委員 福岡県において気候変動について、今までどういう状況で、今後どういうことが予見されるのかというのを教えてください。 224 ◯佐竹環境保全課長 当初御説明しましたように、本県におきましても気温の上昇、猛暑日の増加、集中豪雨や台風による被害があらわれているということで、本県におきましても気温の上昇によります温暖化の影響があっていると認識しております。 225 ◯板橋 聡委員 そんなこと、ネットでもわかるんですね。グーグル先生に聞いたほうがよっぽど詳しい。県のこの問題に関する主体である、つまり頭脳であり司令塔である環境部がこれで大丈夫なのかと、非常に危惧を覚えるところであります。  気候変動は、先ほどずっと農林水産部に聞いておりましたけれども、農業はもちろん、さまざまな産業、生活分野に影響をもたらします。県はこれに対してどういう対応をしているんでしょうか。 226 ◯佐竹環境保全課長 これにつきまして、農業分野につきましては、高温条件下での水稲、それから果実の品質、栽培技術の開発、これらに対応しているところでございます。 227 ◯板橋 聡委員 さまざまな分野に影響をもたらすと言ったんですけれども、どういう対応をしていらっしゃるのかを聞いているんです。 228 ◯佐竹環境保全課長 地球温暖化によります気候変動の影響というのは幅広い分野に及ぶということで、県内の温室効果ガスの対策を一元的に推進するということで、現在各部局、それから教育庁、警察本部で構成します地球温暖化対策施策連絡調整会議を設置したところでございます。この会議では、地球温暖化対策であります温室効果ガスの排出削減、それから気候変動の影響への適応、これらについて各部局が推進していました政策を、環境部が中心となりまして、情報を共有して、連携して取り組んでいくというものであります。 229 ◯板橋 聡委員 地球温暖化対策連絡調整会議の座長はどなたですか。 230 ◯佐竹環境保全課長 これは環境部の次長でございます。 231 ◯板橋 聡委員 メンバーはどういう役職の方が参加されているんですか。 232 ◯佐竹環境保全課長 それは、各部局の主管課の課長という形で出席をいただいております。 233 ◯板橋 聡委員 今まで二回ほど会議が行われたそうですけれども、実際その主管課の課長は、全部出席されているんですか。 234 ◯佐竹環境保全課長 課長が出席されたところ、また代理というところもあります。 235 ◯板橋 聡委員 この地球温暖化対策実行計画と地球温暖化対策連絡調整会議との関係を、知事が答弁の中で述べていましたけれども、どういった内容でしたか。 236 ◯佐竹環境保全課長 これにつきましては、地球温暖化に関しますさまざまな情報の共有化を図りまして、それから地球温暖化の観点を踏まえた施策の検討を行うということでございます。 237 ◯板橋 聡委員 そんなに大事な、これから計画を立てなければいけない地球温暖化対策実行計画、これの施策を検討するというところまで知事は述べていらっしゃるんですけれども、先ほどから御説明はわかるとおり、この連絡協議会の実態は、本当に国からの情報を各課に投げて、各課は何やっているのという、情報を集めているという、回覧板を回すような、協議会というよりは連絡網というレベルに感じられます。これでは、この連絡協議会が実効性のある、先ほどから言われています地球温暖化対策実行計画が策定できるのか、甚だ疑問であります。  縦割り行政の弊害は以前より常々指摘されています。私も当選して最初の一般質問で、鳥獣被害を対策する全庁横断型のプロジェクトとして、県鳥獣被害対策協議会のてこ入れをお願いした次第であります。これが、行政の縦割りの特効薬とばかりに、知事に対していろいろな指摘がされたり、あるいは一般質問やこういった特別委員会での質問があった場合は、多くの協議会、あるいは全庁横断型プロジェクトを立ち上げようということで効能を非常に強調されたりしております。知事はそういった答弁をされておりますけれども、我々が本当に期待しているような機能を、こういった全庁横断型プロジェクト、そういった協議会、こういったものがしているかどうかというのを、今回環境部の皆さんの答弁を聞いて非常に疑問に思った次第でございます。  ちょっと視点を変えまして、野田部長、環境部の課の数と係の数は幾つありますか。 238 ◯野田環境部長 課は七課だったと思いますけれども、係はちょっと正確には覚えていません。 239 ◯板橋 聡委員 部長ですから課の数だけわかっていればいいという話なんでしょうけれども、では、環境部が参画あるいは関与している全庁横断型の会議体は幾つありますか。 240 ◯野田環境部長 ちょっと正確には覚えませんが、環境関連で申し上げますと、副知事をトップにして各部長がメンバーになっております環境問題全般を扱う福岡県環境対策協議会がございます。それから、再生可能エネルギーの導入という意味で、環境部も関係しております再生可能エネルギーの推進本部会議というものがあります。 241 ◯板橋 聡委員 今お持ちの資料の中に、環境部が関係していないというか、直接関係していないような全庁横断型の会議体というのは書いてないということですか。 242 ◯野田環境部長 全部で幾つあるかは、ちょっと承知しておりません。 243 ◯板橋 聡委員 でも、会議体に入っているということは関係あるということなんですよね。今部長がおっしゃったとおり、環境部としてはこれとこれとこれ、この会議体ありますと。では、そうではない部署の方がその会議体に入っていた場合、その部署の方は関係ないということを言っているような話だと思うんですよ。  ですから、そういう意味では、ぜひこれは知事に対して、今まで全庁横断型のこういったプロジェクトをいっぱい立ち上げていらっしゃいますけれども、本当に機能して我々が期待しているような効果を上げているかどうかと、よくただしたい。そういうことで知事保留質疑をお願いいたします。 244 ◯井上忠敏委員長 ただいま板橋委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月四日金曜日に行う予定でありますので、御了承願います。 245 ◯板橋 聡委員 終わります。(拍手)     〔正副委員長交代〕 246 ◯原竹岩海副委員長 次に進みます。渡辺美穂委員。 247 ◯渡辺美穂委員 民進党・県政クラブの渡辺美穂です。どうぞよろしくお願いいたします。  通告に従い、本県のひきこもり対策についてお伺いしたいと思います。  平成二十七年、内閣府のひきこもりに関する実態調査によりますと、対象が十五歳から三十九歳までで、広義の意味でのひきこもりに該当する人数が五十四万一千人、全体の一・五七%となっています。平成二十七年の福岡県の該当年代の人口が百四十二万二千四百八十一人ですので、一・五七%を乗じた推計は約二万二千三百三十二人となります。先日、浦議員の質問に対する回答で、十五歳から三十四歳までの本県のニートの推計人数が三万六千人ということが示されました。この二つの定義は違うとは思いますが、現実は相当重複していると思われます。
     一方で、平成二十五年に、島根県と山形県がひきこもりに関する実態調査を独自に行ったところ、国の一・五七%を大きく下回り、それぞれ〇・一五%と、〇・一四%となっています。島根や山形の数字を当てはめると、本県の若年のひきこもり数は約二千百名となりますが、この両県の調査の特徴は、対象の年齢の上限を撤廃したこと、また、民生委員児童委員に直接アンケートを実施したということです。つまり、より現実的で、深刻な状態の方々の数字であることが推察されます。  この結果、四十代をピークに、中高年のひきこもり者数が若年層とほとんど変わらないという結果が出ています。この方法で推計すると、本県の十五歳から六十歳までのひきこもり総数が約四千人となります。この二つの推計について、県としてはどのようにお考えでしょうか。 248 ◯原竹岩海副委員長 近藤こころの健康づくり推進室長。 249 ◯近藤こころの健康づくり推進室長 国の調査は、若者の生活に関する調査というものでございまして、十五歳から三十九歳の人がいる五千世帯を全国から無作為抽出しまして、調査員が訪問して行っているものでございます。全国で五十四万一千人、本県推計で二万人以上という人数は、委員も言われましたように、広義のひきこもりの方の人数でございまして、ふだんは家にいるんですけれども、自分の趣味に関する用事のときだけは外出するという、いわゆる準ひきこもりと言われる方も含んだ人数でございます。  一方、島根県と山形県の調査につきましては、若年層に限らず、全年齢層の、こちらのほうは狭義のひきこもりの方を対象に、民生委員児童委員さんが全員に対してアンケート調査を行う手法で実施されております。  国の調査と両県の調査では大きく結果が異なっていますように、ひきこもりをどう定義するのか、どのような調査手法をとるのかなど、ひきこもりの方の人数を把握することは大変難しいと感じております。 250 ◯渡辺美穂委員 人数の把握、実態は非常に把握するのが難しいということですけれども、特に中高年のひきこもりについて質問したいんですが、経済的負担を父母などに依存した中高年のひきこもり、これはそのまま生活保護に結びつく可能性が高いことが指摘されています。本県の平成二十七年度決算で生活保護費が約三百四十億円となっており、若干減少傾向にはあるんですけれども、県の社会保障費の約一割を占めています。郡部の生活保護費と合わせて、生活保護世帯の増加が県の財政にも大きな影響があると言えると思います。  先ほど指摘したように、生活保護の原因の一つがこのひきこもりにあるとしたら、今一定の予算をかけても対象世帯を減らすことが将来への負担軽減につながると考えますが、福祉労働部ではこのことをどのようにお考えでしょうか。 251 ◯原竹岩海副委員長 小野保護・援護課長。 252 ◯小野保護・援護課長 中高年でひきこもりの状態にある方の場合でございますが、御両親など現に支援をされている方が退職をされたり、あるいは不幸にしてお亡くなりになられたとき、生活に困窮しまして最低限度の生活を維持することができなくなり、結果として生活保護に至ることがあると考えております。したがいまして、ひきこもり状態が長くならないうちに適切な支援を行い、社会参加を促していくことが、生活保護費を抑えることにつながると考えております。 253 ◯渡辺美穂委員 単に保健医療介護部だけの問題ではなく、福祉労働部の問題としても、やはり財政面で生活保護を減らしていく、このひきこもりを減らすことが非常に有益であるとおっしゃっていると思います。  また一方、税収面から考えてみましても、福岡県の平均年収を仮に三百万円としまして、扶養家族なしの場合で、県民税は年間約四万六千円となっていますから、六十歳までの、島根県、山形県の狭義の意味でのひきこもりの数、約二千人ですけれども、これを乗じますと、現段階で毎年二億円近い税金が入ってきていないということになります。さらに、広義の意味、国の数字を乗じますと、毎年十億円もの収入が得られていないことになります。  人口減によって税収が減っていくことが十分考えられる中、その実態の把握というのは喫緊の課題ではないでしょうか。本県においても、島根、山形同様、まずは年齢の上限撤廃を行って、より実情に近い実態を把握できるような調査を行うべきと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。 254 ◯近藤こころの健康づくり推進室長 本県では平成二十二年度から精神保健福祉センターの中にひきこもり地域支援センターを設置し、社会福祉士等の資格を持つコーディネーター二名を配置しまして、年間一千件を超える相談業務等を行っているところでございます。  実態把握に当たりましては、人数だけではなく、ひきこもりに至った背景や原因、ひきこもりの期間、生活の状況等、詳細に調査する必要がございまして、両県の調査での率を見ますと、ひきこもりの方お一人の実態を把握するためには、その数百倍の人数の方々に調査を実施することになります。これまで実施してきております相談業務の中で聴取いたしました有為なデータの蓄積もございますことから、それらを参考にいたしまして実態の把握に努めているところでございます。 255 ◯渡辺美穂委員 平成二十二年から開設されて約一千件とおっしゃいましたけれども、先日、私が取り上げた児童相談所は年間に二千件以上の相談を受けているということで、今有益な情報だとおっしゃいましたが、一千件ではとてもとても、まだ十分な有益な情報であると言えるとは私は思いません。やはり課題解決のためには、実態をどのように詳しく、あるいは実態に近い調査を行うか、実態をつかむということ、ここから始めなければ、有効な対策というのは打てない。これはどういった事業においてもそうであるということを、まず指摘をしておきたいと思います。  そこで、実際具体的な対策として、県内のある市なんですけれども、社会福祉協議会のソーシャルワーカーが主体となって、アウトリーチ型の不登校、ひきこもり対策を行っており、効果を実際に上げておられます。ここでは、子供たちの学習指導も行いますし、成人の居場所を提供、また就職活動の支援、就労支援まで、きめ細やかな対応を行っておられます。このように、家庭に入って課題解決を行うことができるソーシャルワーカーや、浦議員の質問にもあったように、民生委員や地域の方々の家庭訪問などのアウトリーチ型の対応、これは非常に効果があるものと私は考えます。また、先日取り上げた児童相談所においても、児相に来る以前に市町村のソーシャルワーカー、あるいはスクールソーシャルワーカーが家庭訪問を行うことで、虐待の早期発見にもつながりますし、それによって子供の心の傷を軽減することができるともおっしゃっています。  そこでまずは、保健医療介護部ではソーシャルワーカーの果たす役割についてどのように捉えておられるのか、お示しください。 256 ◯近藤こころの健康づくり推進室長 ソーシャルワーカーは、委員が御紹介されました市の社会福祉協議会での活用の事例など、子ども・子育て施策、それから障害者福祉施策、高齢者福祉施策、その他困窮者の対策など、多くの分野で活躍をされております。専門的な知識や技術を持って、身体上あるいは精神上の障害がある等により、日常生活を営むのに支障がある方の福祉に関する相談に応じ、助言や指導、その他援助等を行うという役割を果たされておられます。 257 ◯渡辺美穂委員 ありがとうございます。ソーシャルワーカーの役割というのをきちんと把握されていると思います。  そこで、教育委員会にお尋ねをしたいんですが、就学時代の不登校がそのままひきこもりやニートにつながるケースが多いということが指摘されていますけれども、教育委員会としてはまず不登校対策として、効果が期待できる施策としてどのような方法を実施しておられるでしょうか。 258 ◯原竹岩海副委員長 相原教育庁義務教育課長。 259 ◯相原教育庁義務教育課長 不登校の増加やその要因の複雑化等に対応しまして、児童生徒あるいは保護者の心の安定を図るスクールカウンセラーの全公立中学校への配置や、関係機関と連携し児童生徒の生活環境の改善を図るスクールソーシャルワーカーの市町村への配置など、学校における教育相談体制の整備充実に努めております。 260 ◯渡辺美穂委員 では、教育委員会で今行っておられる県費による市町村へのスクールソーシャルワーカーの配置、これを実施しておられますけれども、本年度までに県内全ての市町村への配置が終わると伺っております。しかし、今申し上げましたように、スクールソーシャルワーカーの配置で、不登校だけではなく、虐待の早期発見や生活習慣の改善など、多くの効果が報告されています。これらを踏まえると、今後もさらに充実をさせながら配置を継続すべきと考えますが、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか。 261 ◯相原教育庁義務教育課長 昨年十二月に国の中央教育審議会で出されました答申におきましては、スクールソーシャルワーカー等の専門家の学校の配置とその拡充が提言されております。教育委員会としましては、国の動向を注視し、市町村や関係団体と協議しながら必要な配置に努めてまいりたいと考えております。 262 ◯渡辺美穂委員 学校におきましても、県内全ての学校にスクールソーシャルワーカー、いわゆる社会福祉士を配置することが非常に重要であると認識をされていると思いますけれども、私自身も、このひきこもり対策あるいはニート対策として、大きな効果が期待できるソーシャルワーカーの配置については、県が行うよりも、市町村が主体となって行うことで、よりきめ細かな対応が可能になると考えます。  そこで、県として、今御答弁いただいてはいませんけれども、総務部、保健医療介護部、福祉労働部、教育庁、今それぞれ個々に施策を行っておられますけれども、ここは部局を越えて連携して、市町村のひきこもり対策を支援する取り組みを考えていただきたいと思いますが、まず、これについてお答えいただきたい。  そして次に、市町村において、ソーシャルワーカーを配置したいといった要望があるときに補助制度をぜひ、これは人件費ですから非常に高い人件費となりますので、そういった補助制度を新設していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 263 ◯近藤こころの健康づくり推進室長 まず、市町村のひきこもり対策を支援する取り組みでございますけれども、ひきこもりからの回復者御本人やその家族をひきこもりサポーターとして今養成して、派遣をする取り組みを進めているところでございます。県が、このサポーターの養成研修と登録を行いまして、市町村からの求めに応じて派遣するという事業でございまして、今後市町村へこの事業の周知を図りまして、専門的な研修を受けたサポーターの活用を促していくこととしております。  それから、二点目の市町村にソーシャルワーカーを配置する点でございますが、県といたしましては、ひきこもり地域支援センターのほか、福岡県立大学に不登校・ひきこもりサポートセンターを設置し、また、保健福祉環境事務所におきましても相談対応を行うなど、県内全ての地域のひきこもりの方に対する支援に努めているところでございます。  委員から御提案のございました市町村におけますひきこもり対策としてのソーシャルワーカーの配置は、市町村の判断となるところでございますが、その人件費について、県として財政的な支援をすることは考えておりません。 264 ◯渡辺美穂委員 今の課長の御答弁は、先日の浦議員の質問に対します労働政策課長が、サポステで、やはりサポーターを募ってやっているということと、ほぼ同じ内容だと思うんですね。このように県が、県内数カ所の拠点施設で行うよりも、やはり各市町村においてきめ細かい対応をする、これがまず早い現段階での効果を上げることができるのではないかと私は考えます。  今申し上げましたように、それぞれの部局で使っている予算を統合したり、あるいはうまく分配することによって、市町村への支援に回すことが重要だと私は考えますが、改めて部長の考えをお示しください。 265 ◯原竹岩海副委員長 松本保健医療介護部長。 266 ◯松本保健医療介護部長 ひきこもり対策をきめ細かくするために、議員御提案のように市町村にソーシャルワーカーを置く、これも有効な手だてだと思いますけれども、その一方で、県は専門的な大きな観点から、当部の出先であります精神保健福祉センターに二人の相談員を配置しまして、これはソーシャルワーカーですけれども、毎年千件ずつの相談を受けておるわけでございます。また、学校現場においてもスクールソーシャルワーカーの配置も大事だろうと思っております。  そういったことで、どちらか市町村のほうに県の事業費を取りまとめて移していくということは、それぞれ市町村と県の役割がございますので、私の立場からしては、今の事業が相談件数や効果等を含めてそれなりの成果を上げていると思っておりますから、もちろん足りないところはございますけれども、県の事業を縮小したり取りまとめたり、できるところはいたしますが、今申し上げた点については難しいと考えております。 267 ◯渡辺美穂委員 県と各市町村の役割の違いはわかりますし、部長が今おっしゃったように、県としてはより専門的な知見に基づいた形での対応が必要ということも了解はしておりますけれども、しかし、初期段階として家庭から出られないという方々への対策としてまず必要なのは、その家庭に入り込んで、それぞれの課題に対して専門的知見を持って対応する、そのことによって、まず家庭から出ていっていただくようにする、これがまず重要かと思います。そういう意味では、ニートも不登校もひきこもりも、同じアプローチが私は必要ではないかなと思います。そして、今部長がおっしゃったように、外出ができるようになった後の対応としてはそれぞれ違ってくるかもしれませんけれども、いずれにしても、その方が最終的に自立していくまでは個人に寄り添った対応が必要で、それを今やっていらっしゃるように部局別に行うというのも、私は果たしていかがなものかなと、いまだに思っています。  県での施策が、予算面とかもいろいろあって困難である、これは多分市町村も縦割りですから、同じような状況が起こると思います。したがって、私が提案させていただきたいのは、県社協を通じて市町村社協でソーシャルワーカー雇用などの施策をできるように、県がこれを支えるような仕組みづくりをしていただきたい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 268 ◯原竹岩海副委員長 次に進みます。新開昌彦委員。 269 ◯新開昌彦委員 公明党の新開昌彦でございます。  今回は、障害者の雇用と復職プログラムということで、表題をつけさせていただきました。障害者の力を引き出していただいて、そして、人材として今から生かしていただくという観点から質問させていただきたいと思います。  福岡県内の国保医療費の中で、精神及び行動の障害という項目があります。この項目は、福岡県の医療費の中で循環器、それからがんに次いで第三位であります。ということは、誰でもかかる身近な病気であると私は思っております。そういった意味で、精神障害者の雇用というのは平成三十年には義務づけられるわけでありまして、その中で視察をしてまいりました。  富士ソフトという大手の会社がありますが、その特例子会社であります富士ソフト企画というものがあります。大変先進的な取り組みをしておられまして、社員は百五十三人のうちの百三十人が障害者であります。そして、身体障害者が三十六人、知的障害者が二十三人、精神障害者が半分以上、七十一人を雇用されておられまして、そういった意味では、先般、うちの高橋議員が、障害者の在宅就労を拡大する方向で答弁もいただきましたけれども、特例子会社では採用がどんどん見込めていくのではないかと思っております。特例子会社の富士ソフト企画の取り組みを紹介しながら、質問をさせていただきたいと思います。  まずは、特例子会社の制度の概要、そして意義、メリット、県内の状況をお聞かせください。     〔正副委員長交代〕 270 ◯井上忠敏委員長 山口新雇用開発課長。 271 ◯山口新雇用開発課長 お答えいたします。企業が障害者雇用を進めていくためには、障害特性に応じた職域の開拓、それから支援スタッフの確保、職場環境の整備など、さまざまな対応が必要になってまいります。御指摘の特例子会社制度でございますが、事業主が障害者を多数雇用する子会社を設立いたしまして、その子会社に雇用されている社員を、親会社の障害者雇用率の算定に含めることができる制度でございます。ということで、事業主にとりましては、先ほど申し上げました障害特性に配慮した仕事の確保や受け入れる環境整備が容易になります。またあわせまして、障害者の皆様にとっても、個々の能力を発揮する十分な機会が確保されるなどのメリットがございまして、障害者雇用の拡大に大きな効果があると考えております。  福岡県内の状況でございますが、県におきましては、これまで特例子会社の設立手順や助成制度、それから障害者の採用方法など、相談に応じてまいりました。また、パンフレットを通じて周知を図るなど、特例子会社の設立促進に取り組んでまいったところでございます。その結果、この十年間でございますが、特例子会社の数は六社から十四社とふえておりまして、そこで働く障害者の数も二百三名から三百八十七名と大きく増加している状況でございます。 272 ◯新開昌彦委員 今までの取り組みはわかりました。これから、先ほども申しましたとおり、障害者、特に精神障害者がふえてまいります。そういった意味では、県としてどのような課題を持っていらっしゃるのかお答えください。 273 ◯山口新雇用開発課長 委員が先ほど冒頭で御指摘いただきましたように、平成三十年度には精神障害者が法定雇用率の算定基礎に算入されるということから、その雇用ニーズが高まってきております。本県におきますハローワークの新規の求職申し込み件数でございますが、平成二十七年度が三千四百三件と、五年間で約二・五倍に増加しております。また、県内十三カ所の障害者就業生活支援センターにおきましても、精神障害者の相談支援件数が急増している状況にございます。  課題といたしましては、精神障害者の支援には、体調や症状に波があるなど、ほかの障害と比べて、きめ細かな対応が必要であるということでございます。また、企業においては、精神障害者を雇用した経験がない、あるいはどのようにして雇用したらいいか進め方がわからないなど、さまざまな事情で取り組みが進んでいない現状がございます。これら精神障害者の雇用に対する企業の理解を進めていくことが大きな課題であると認識しておりまして、これを踏まえて、一層精神障害者の雇用促進に取り組む必要があると考えております。 274 ◯新開昌彦委員 県内全体としての取り組み、また課題はよくわかりました。県庁としてはいかがでしょうか。 275 ◯井上忠敏委員長 徳永人事課長。 276 ◯徳永人事課長 まず、雇用に当たりましての課題でございますが、精神障害者の方につきましては、精神的にプレッシャーを受けるような職務に不安を感じやすいということですとか、体調に波があって通院や服薬を必要とする場合がある。そのようなことから、その職務内容等につきましては、心身の状況に応じた適切な配慮を講じる必要があると考えております。  また、精神障害者の採用につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律の改正趣旨を踏まえまして、現在は身体障害者に限定しております障害者採用試験、この対象に精神障害者を加えることについて検討していきたいと考えております。 277 ◯新開昌彦委員 教育庁はどうでしょう。 278 ◯井上忠敏委員長 木原教育庁総務課長。 279 ◯木原教育庁総務課長 教育庁におきましても同様の考え方によりまして、精神障害者の方についてのさまざまな課題について対応していく必要があろうかと考えているところでございます。それから、これからの雇用につきましては、先ほど人事課も申しましたように、平成三十年から障害者雇用の算定率に入るということでございますので、同じように検討を進めているところでございます。 280 ◯新開昌彦委員 今述べられた課題に不安なところは多分あるんだろうと思いますけれども、富士ソフト企画、これから紹介いたしますが、その不安な点をしっかりと理解をしてサポートしていくと、精神障害者の方は大変高い能力をお持ちだということも、私、理解をしてまいりましたので、御紹介したいと思います。  その特徴の一つに、チームペア体制というのを組んで配置をやっておられます。要するに、違う障害、身体、精神、知的障害、もう一つ発達障害というのも分類をして、この富士ソフトではペア体制をつくってされておられます。そうすることによって、障害者同士がサポートをし合いながら仕事をするということで大変すばらしい効率を上げております。しかも、障害が少し軽くなっているというところがあります。身体障害者の方は運動能力が互いにサポートすることによってアップする。知的障害の方はIQが少し上がる。それから精神障害者にとりましては薬が減っていく、夜寝られるようになった。発達障害の方にとってはコミュニケーション能力がアップをしてきたと、そういう効果がこのチームペア体制にあるそうであります。  障害者の配置というのは、県庁、教育庁、それぞれどんなふうになっているのか、また、チームペア体制についてはどのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。 281 ◯徳永人事課長 知事部局におきましては、百七十九名の障害者の方が勤務されております。そのうち精神障害の方が五名となっております。そして、百七十九名のうち、本庁に四十名、出先機関には百三十九人という配置状況になっております。  障害を有する職員につきまして、障害の程度、内容等を具体的に把握した上で、状況に応じた勤務場所や業務内容等について検討しておるところでございます。特に精神障害者の方につきましては、過大なストレスがかかる対人業務には従事させない等の配慮を行っているところでございますが、今後精神障害者の配置等の検討に当たりましては、委員から今御紹介がございました企業の取り組み等も参考にさせていただきたいと考えております。 282 ◯木原教育庁総務課長 教育委員会におきましては、二百二十一名の障害のある職員が勤務しておりまして、そのうち精神障害者は三名でございます。その二百二十一名につきましては、事務局等に七名、県立学校に百三十八名、市町村立学校に七十六名が勤務をしております。  障害のある職員の配置に当たりましては、職員の障害の種類や程度、また各職場の施設設備の状況等を勘案の上、配置をしているところでございます。今後、障害のある職員の配置に当たりましては、働きやすく効率的な職場づくりに向けまして、委員から御紹介のございました企業の取り組み等も参考にさせていただきたいと考えているところでございます。 283 ◯新開昌彦委員 対人関係というか、そういったところに大変御不安もあろうかと思いますけれども、富士ソフト企画の上司は、精神障害者の方がやっておられます。ということは、精神障害者の方が障害者を管理されておられる。中には営業に出ておられる方もおられますので、その辺もしっかりと研究なさっていただきたいと思っております。  それから、もう一つの特徴は、復職プログラムというのをこの富士ソフト企画はやっております。親会社の富士ソフトというのは従業員が八千人ほどおられるそうですけれども、毎年、このうち百人ほどが鬱になるそうでありまして、その社員が、特例子会社の富士ソフト企画に復職プログラムで入ってくる。そして、障害者と触れ合う中で、たった二週間でありますけれども、復職プログラムをかけて、そして自信を取り戻して、親会社に復帰するという取り組みをなさっておられます。  障害者の方も、本社の有能な方が来られて、そして障害のある方に高い技術を教えておられますので、要するにウイン・ウインですね。本当にいいことずくめでやっておられるそうでありまして、昨年は六十九人中五十二人、七五・三%の方が復帰をしておられます。  委員長にちょっとお願いでございますが、精神疾患による長期病休者の推移の資料をあらかじめお願いしておりますので、取り計らいのほどよろしくお願いします。 284 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま新開委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 285 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま新開委員から要求がありました資料については、提出できますか。飯田総務事務厚生課長。 286 ◯飯田総務事務厚生課長 知事部局、教育庁、いずれの資料も直ちに提出できます。 287 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 288 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 289 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、新開委員、質疑を行ってください。 290 ◯新開昌彦委員 それぞれ説明をお願いします。 291 ◯飯田総務事務厚生課長 それでは、知事部局のほうから資料の御説明をいたします。  まず、上段の精神疾患による長期病休者数についてでございます。精神疾患による病気休暇は百八十日まで取得できることになっておりまして、百八十日を超えて休む場合は病気休職へと移行します。平成二十七年度で説明しますと、病気休暇者数百一名、病気休職者数五十五名ですが、この中には病気休暇から病気休職へと移行した職員が含まれておりますので、この重複者数を引きますと、平成二十七年度の長期病休者数は百三十名になります。  次に、下段の復職者数についてでございます。知事部局等におきましては、長期にわたって休んでいた病気休職者が復職するに当たりましては、第三者機関の健康管理審査会で復職していいかどうかを判定しておりまして、平成二十七年度で説明しますと、審査会の判定を経て復職した職員は十九名でございます。このうち本人の希望に基づく試し出勤の制度を利用して復職した職員は十七名となっております。  説明は以上でございます。 292 ◯井上忠敏委員長 上田教育庁教職員課長。 293 ◯上田教育庁教職員課長 次に、教育庁から提出いたしました資料について御説明いたします。  上の段の表、精神疾患による長期病休者数は、県教育委員会事務局、県立学校、政令市を除く市町村立小中学校等における精神疾患による病気休暇者及び休職者数のこの五年間の推移を示したものでございます。表の見方は、知事部局の資料と同様でございます。  次に、下の段の表は職場復帰訓練実施数でございます。教育委員会におきましては、精神疾患による休職者が復職する前には職場復帰訓練を実施しておりまして、この表は、この五年間における職場復帰訓練の実施数及び訓練を実施した者のうち復職した者についてお示したものでございます。  説明は以上でございます。 294 ◯新開昌彦委員 教育庁も、それから知事部局のほうも、復職プログラムはされておられます。この表を見ますと、九〇%以上は復職をしているという数字ではございますが、私はその分母のほうが大事だろうと思っておりまして、知事部局のほうは長期病休者数、いろいろございますでしょうが、分母は百三十人おられるわけであります。百三十人は現場にいないということであります。それから、教育庁のほうも二百四十六人は教室にいない、学校にいないということであります。しかも、復職プログラムというのは、県庁も教育庁も大変長い時間かけてやっておられます。二カ月とか四カ月とかいう時間をかけてやっておられると聞きましたが、この富士ソフト企画はたった二週間なんですね。ぜひこの復職プログラムのほうもしっかりと取り入れてもらいたいと思っております。  富士ソフト企画のほうも大変優秀な人材をどうやって生かしていこうかということで始まったプログラムでありますし、県庁の職員も学校の先生も、本当に生かしていかなければならない人材でありますので、一日も早く現場に戻してあげる、そういったプログラムをぜひつくり上げていただきたいと思っております。ぜひそういった取り組みをやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  そういったことを参考にしていただきたいわけでありますが、どのようにお考えでしょうか。 295 ◯飯田総務事務厚生課長 資料にもございますように、メンタル不調による長期病休者というのは増加傾向にございます。また、委員のお話にもありましたように、その人数がその間職場にいないということも問題だと思っております。そのため円滑に、なるべく短い期間で職場復帰ができるための支援策の充実が重要だと考えております。  委員からお話がありましたように、民間においては各方面においてさまざまな復職プログラムに取り組まれておりますので、それらを参考にしながら支援策の充実に向けて研究してまいりたいと考えております。 296 ◯上田教育庁教職員課長 教育委員会におきましても、休職者がより円滑に復職し、そして現場で活躍できますように、今御紹介がありましたような企業の事例も参考としてまいりたいと考えております。 297 ◯新開昌彦委員 最後の質問でございますが、障害者の委託訓練の事業を神奈川県がやっております。福岡県もやっておりますが、神奈川県は、障害者職業能力開発校の訓練を、この特例子会社である富士ソフト企画に委託をしており、大変成果を上げております。ここの講師は障害者が行っておりまして、受講する障害者もモチベーション上がってくるわけでありますね。自信を持って仕事に取り組むことができると、自分は就労ができる、就職ができるという、そういったモチベーションを与えていくという委託訓練をされております。ほぼ一年間やっておられまして、本社が大船にあります富士ソフト企画では、今まで四十期取り組んでおりまして、四百六十人が就労、就職をいたしております。  本県にも障害者向けの職業能力開発校はあり、一般就労に向けて頑張っておられるとは思いますが、特例子会社が受託できるような、富士ソフト企画のような会社はないのか、お聞きしたいと思います。 298 ◯山口新雇用開発課長 県内の特例子会社は十四社ございますが、このうち福岡市に所在いたします九州地理情報株式会社、こちらでは障害者に対するIT教育訓練が行われております。県では平成二十二年度から二十七年度までの六年にわたりまして、精神障害者や発達障害者の職場適応力を高めるための実務訓練を同社に委託いたしまして実施したところでございます。この訓練におきましては、障害のある社員が指導に当たりまして、ビジネスマナーや地図情報の電子化作業など、こういった具体的な指導に当たって、受講した障害者百十八人のうち八十人の方が就職を果たされている状況でございます。 299 ◯新開昌彦委員 非常にすばらしい特例子会社があると思います。今年度やってないのは、理由は何かありますか。
    300 ◯山口新雇用開発課長 先ほど説明させていただきましたとおり、六年間にわたって一定の成果が出たということで、一旦この事業は昨年度で終了したところでございます。 301 ◯新開昌彦委員 せっかくすばらしい実績を持っている特例子会社がこの福岡にあるわけですから、そういったところにも委託訓練をやっていただきたい、委託をできればやってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。 302 ◯井上忠敏委員長 山本職業能力開発課長。 303 ◯山本職業能力開発課長 福岡県内におきましても、福岡障害者職業能力開発校におきまして多様なニーズに対応した訓練が可能となるよう、民間企業に対して公募をし、企画提案を受けまして、その内容として、例えば施設設備、それから指導員といった要件について、その内容をまず審査し、それによって訓練の委託期間を決めまして、訓練を実施しております。  今後、先ほどから御指摘があっておりますように、いわゆる特例子会社につきましても、こういった訓練があるという情報を周知してまいりたいと考えております。 304 ◯新開昌彦委員 平成三十年には精神障害の方たちにも広く職業の場を与えられるような、そういう制度が開始されるわけでありますので、これからそれに向かってしっかりと取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。  以上です。ありがとうございました。(拍手) 305 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。原中誠志委員。 306 ◯原中誠志委員 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志でございます。  発言通告に従いまして、若者の詐欺被害対策について、質問をさせていただきます。  警察庁が発表いたしました昨年の全国の詐欺被害の認知件数は一万三千八百二十四件、前年比プラス四百三十二件、三・二%の増となっており、被害総額は、振り込め詐欺被害は約三百九十三億七千万円、振り込め詐欺以外の特殊詐欺被害は約八十八億三千万円、合わせて約四百八十二億円となっているところでありまして、被害額は減少に転じたものの、依然として高水準で推移しているというのが実態であります。特徴的には、首都圏一都三県における認知件数、被害額は大幅に減少したものの、地方大都市、特に大阪、岡山、そして福岡においては増加しているところであります。  福岡県警察が把握した県内の昨年中のにせ電話詐欺被害の認知件数は四百九十七件、被害総額は十八億四千三百四十六万円にも上っているところであります。件数では前年比プラス二百二十五件、被害額では前年比プラス五億五千百五十八万円と増加しているところであります。このような詐欺被害の現状を受け、県、県警察本部ともに、にせ電話詐欺撲滅に向けてさまざまな対策が講じられているところであります。  ところで、こうした詐欺行為で犯行グループが手口として利用するのが電話であります。電話で呼び出したりするわけでありますけれども、詐欺を敢行する犯行グループの多くは、自己への捜査を逃れるために、レンタル携帯電話、格安SIMを入手し、それを悪用しているという実態を聞いているところであります。そのため、犯行グループは、あの手この手でレンタル携帯電話や格安SIMを入手しようとするわけであり、そのための手口として最近急増しているのが荷受け代行、荷物転送アルバイトであります。  詐欺被害と聞きますと、オレオレ詐欺、還付金等の振り込め詐欺にしても、お年寄りが狙われている、被害者もお年寄りというイメージがありますけれども、しかし、今述べましたとおり、お年寄りを狙う詐欺行為に使う携帯電話を入手するために、犯行グループが言葉巧みにアルバイトと称して若者を引きつけ、その結果、犯行グループによって若者さえも餌食となっている、こういうことが起こっているわけであります。  そこで、質問に入りますけれども、あらかじめ執行部に、「荷受代行アルバイトに注意」という啓発チラシについて、資料要求しておりますので、委員長のお取り計らいをお願いいたします。 307 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま原中委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 308 ◯井上忠敏委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま原中委員から要求がありました資料については、提出できますか。兵頭生活安全課長。 309 ◯兵頭生活安全課長 直ちに提出できます。 310 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 311 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 312 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、原中委員、質疑を行ってください。 313 ◯原中誠志委員 まず初めに、生活安全課長にお聞きいたします。荷受け代行、荷物転送アルバイトをきっかけとした携帯電話の契約トラブルがどのようなものと把握しているのかお聞きするとともに、その手口はどのようなものか、配付資料をもとに説明を求めます。 314 ◯兵頭生活安全課長 お配りいたしましたチラシの相談事例の欄をごらんください。この例では、自宅に届いた荷物を指定された場所に転送するだけで一回数千円になるアルバイトを、相談者がSNS経由で紹介されまして、これに申し込みをいたしますと、相手方から本人の確認やアルバイト料の支払いのために、運転免許証の画像データ、電話番号、アルバイト料の振り込み先である銀行口座等の個人情報を要求されまして、これを送ってしまったと。後日相手方から連絡どおりに荷物が自宅に届きまして、それがスマートフォンだったと。携帯電話会社に問い合わせをいたしましたところ、知らない間に自分名義で携帯電話の契約がなされていたというものでございます。 315 ◯原中誠志委員 本県内には福岡県消費生活センターがありますし、市町村には消費生活センターがありますけれども、それらセンターでは、県民の方々からの消費生活に関する苦情相談、さらには多重債務問題などに関する相談をお受けしているところであり、その解決に向けた助言や情報提供などを行っている機関であります。  そこで、県として消費生活センターの活動も踏まえ、いわゆる今御指摘いただきました荷受け代行、荷物転送アルバイトによる契約トラブルの相談状況について、御説明をいただきたいと思います。 316 ◯兵頭生活安全課長 県と市町村の消費生活センター等に寄せられました委員御指摘の相談につきましては、平成二十六年度はございませんでしたけれども、平成二十七年度に二件、平成二十八年度は七件でございます。 317 ◯原中誠志委員 このような相談がなされた場合でありますけれども、相談者にどのようなアドバイスをされているのか、また、県は消費者被害防止対策としてどのような取り組みを行われているのか、重ねて御説明をいただきたいと思います。 318 ◯兵頭生活安全課長 消費生活センターではこのような相談に対しまして、その内容や契約の状況に応じ、警察に相談するなどの助言を行っているところでございます。  また、県の消費者被害防止対策といたしましては、本年七月に県のホームページで注意喚起を行うとともに、市町村に対しましても、住民への周知を依頼しているところでございます。  県が要請しました約五百三十名の消費生活サポーターが、住民宅を訪問した際にも被害防止の啓発を行っております。さらに、本年十月から、先ほどお配りいたしました若年者向けの啓発チラシを、大学、専門学校などにメールで配信するとともに、高校や大学等で実施をしております出前講座においても、学生に対して直接注意喚起を行っているところでございます。 319 ◯原中誠志委員 次に、警察本部総務部長にお聞きいたします。今、生活安全課のほうより、荷受け代行、荷物転送アルバイト被害の手口が示されたわけでありますけれども、このいわゆる荷受け代行、荷物転送アルバイトによる被害が全国的に発生をしており、問題となっていることを県警察として御存じでしょうか。まずお示しいただきたいと思います。 320 ◯井上忠敏委員長 高木警察本部総務部長。 321 ◯高木警察本部総務部長 承知しております。 322 ◯原中誠志委員 県警察としても、いわゆる荷受け代行、荷物転送アルバイト被害が全国的に問題となっていることを御承知だということでありますけれども、では、荷受け代行、荷物転送アルバイト被害という事案は本県内で発生しているのかどうか、お答えいただきたいと思います。 323 ◯高木警察本部総務部長 県警察に対しましては、本年六月以降、九件の相談が寄せられているところであります。 324 ◯原中誠志委員 県警察本部に対しまして九件の相談があるということでありましたけれども、本県においても認知されているという御答弁であったわけであります。  このアルバイトには、実は別の問題点もありまして、それは、この転送された携帯電話が、にせ電話詐欺で名義を隠すための飛ばし携帯に使われる、そうした犯罪に使用されることがあることも聞いているわけであります。そのため、このままこの問題を放置し、このアルバイトによる被害が拡大すれば、別の犯罪も助長しかねないという大きな、次の問題も起こってくるわけであります。  そこで、いわゆる荷受け代行、荷物転送アルバイトについて、県警察としてどのような見解をお持ちなのか、続けて警察本部総務部長にお尋ねいたします。 325 ◯高木警察本部総務部長 いわゆる荷受け代行と呼ばれるアルバイトを通じて不正に取得された携帯電話が、特殊詐欺等の匿名性の高い犯罪に悪用されるおそれがあると考えております。したがいまして、県民の皆様がこのような事案に巻き込まれることがないよう、各種の警察活動を通じ、注意喚起を行っているところであります。  県警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべき事案があれば、法と証拠に基づき適切に対処してまいる所存であります。 326 ◯原中誠志委員 ただいま警察本部総務部長より御答弁いただいたわけでありますけれども、県警察としても強い姿勢をお示しいただいたと思っているところであります。  それでは、このいわゆる荷受け代行、荷物転送アルバイトによる被害を防止するため、県警察としてどのような取り組みを行われているのか、引き続きお尋ねをしたいと思います。 327 ◯高木警察本部総務部長 県警察では、ホームページや公式ツイッターを通じて広く注意喚起を行っているほか、特にアルバイトに従事する機会の多い大学生に対しましては、各大学を通じ、荷物転送アルバイトに注意と題するチラシを配付したところであります。  県警察といたしましては、今後も県の担当課を初め、消費生活センターなど関係機関と緊密な連携を図り、本県における被害防止に向けた各種の取り組みを強化してまいります。 328 ◯原中誠志委員 最後に、警察本部、そして生活安全課、県のほうにも要望でございます。ただいま御答弁いただきましたけれども、にせ電話詐欺を実行する犯行グループというのは、それこそあの手この手の新しい手口で詐欺行為を行い、金もうけをしようとたくらむわけであります。そうした卑劣な犯罪の餌食となるのは、お年寄りでありますし、今日では今御指摘のありましたような大学生であったり若者であったりするわけであります。県消費生活センターの相談件数、そして、県警察への認知件数が増加しているわけであります。  したがいまして、今回取り上げました、いわゆる荷受け代行、荷物転送アルバイトという新しい手口の犯罪に対して、県、そして警察本部として引き続き強い姿勢で臨んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 329 ◯井上忠敏委員長 次に進みます。阿部弘樹委員。 330 ◯阿部弘樹委員 自民党県議団の阿部弘樹でございます。  きょうは知事の政治姿勢について御質問させていただきます。  まず初めに、資料要求をしております。知事の海外出張及び県外出張、あるいは一月四日の年頭記者会見の資料をあらかじめお願いしておりますので、委員長、よろしくお願いいたします。 331 ◯井上忠敏委員長 お諮りいたします。  ただいま阿部委員から要求がありました資料を、委員会資料として要求することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 332 ◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま阿部委員から要求がありました資料については提出できますか。野田秘書室長。 333 ◯野田秘書室長 秘書室所管分及び総務部所管分、いずれも直ちに提出できます。 334 ◯井上忠敏委員長 資料を正副委員長に確認させてください。     〔資料確認〕 335 ◯井上忠敏委員長 事務局は資料を配付してください。     〔資料配付〕 336 ◯井上忠敏委員長 資料が配付されましたので、阿部委員、質疑を行ってください。 337 ◯阿部弘樹委員 まず、資料の一ページ目の説明を執行部のほうからお願いします。 338 ◯野田秘書室長 秘書室所管分提出資料は全体で四件でございます。  まず一点目は、知事の県外出張及び海外出張の状況についてでございます。知事就任の二十三年度から現在まで、各年度ごとの東京出張、東京以外の県外出張、海外出張の件数及び期間を取りまとめたものでございます。左端、平成二十三年度は、東京が二十二件、二十三泊四十五日、東京以外の県外が五件で、四泊九日、海外が二件で、四泊七日となっております。二十四年度以降は記載のとおりでございます。  二点目は、知事の海外出張の状況について、一件ごとの出張期間、出張先、主な用務をお示したものでございます。これが二ページでございます。  三点目が、知事の東京出張の状況につきまして、一件ごとの出張期間、主な訪問先、宿泊先、主な用務をお示ししたものでございます。これが十一ページございます。  四点目が、皇室新年行事時の移動方法についてであります。これは、知事が宮中でとり行われます新年祝賀の儀に参列した際の詳細な行程を示したものでございます。  なお、阿部委員からは、以上四点の資料に加えまして、知事が公務外、プライベートで上京した際の記録についても要求がございましたけれども、それにつきましては、県といたしましては資料としてお出しできるような関係書類を保有しておりません。阿部委員からの要求につきまして、知事に説明の上、本人と確認いたしましたところ、個人的な冠婚葬祭等のため、平成二十四年九月、平成二十五年二月、平成二十七年一月に、それぞれプライベートで上京をされております。あわせて御報告いたします。  秘書室は以上でございます。 339 ◯井上忠敏委員長 野上県民情報広報課長。 340 ◯野上県民情報広報課長 総務部所管分の提出資料は二件でございます。  一件目は、資産等報告書でございます。これは政治倫理の確立のための福岡県知事の資産等の公開に関する条例に基づきまして、知事は任期が開始した日において有する土地、建物や預金、貯金等の資産等について報告書を作成しなければならないこととなっておりまして、お手元の書類は、この条例に基づきまして、平成二十七年七月三十一日に知事が作成した報告書でございます。  もう一件は、平成二十八年一月四日の知事の年頭記者会見の会見録でございます。  総務部所管の提出資料は以上二件でございます。 341 ◯阿部弘樹委員 まず、総務部所管分の資産公開から。質問ではありませんけれども、この知事の資産公開の場所というのはどちらですか。野上課長さん、お願いします。 342 ◯野上県民情報広報課長 資産公開の場所とおっしゃっているのは。 343 ◯阿部弘樹委員 執行部がつくった資産公開の、自宅と称する場所はどこですか。 344 ◯野上県民情報広報課長 お手元の資料の二枚目でございます。三番、建物のところに、所在地、床面積、固定資産税の課税標準額が記載されております。 345 ◯阿部弘樹委員 杉並区宮前三丁目で間違いないですか。 346 ◯野上県民情報広報課長 この資料は、条例に基づきまして知事本人が作成されたものを、秘書室を通じて提出されたものでございます。 347 ◯阿部弘樹委員 調べてみますと、平成九年に新築された、延べ床面積、ここにも書いてあると思いますが、一階が九十九平米余、二階が七十一平米余。場所が、井の頭線、ほぼ吉祥寺や下北沢、井の頭線ではそのまま渋谷にも行けると非常に便利なところで、知事もさぞ、平成九年にお建てになられて、執行部が言うところの自宅として非常に気に入っていらっしゃるところだなというふうに、書類の中から思うわけでございます。  それでは、資料の質問をさせていただきます。この資料を見ますと、平成二十七年などは出張が多いですよ。二十七年度は東京出張二十六泊、県外出張が十二泊、海外出張が二十六泊、一年が五十二週と考えますと、二週間に一遍は東京に行ってある。非常に福岡県を不在にすることが多いのではないですか。総務部長、どうですか。 348 ◯井上忠敏委員長 米澤総務部長。 349 ◯米澤総務部長 提出をさせていただいております資料のとおり、出張の回数は以上のとおりでございますし、その際の用務については、別の資料で御説明をさせていただいているところでございます。 350 ◯阿部弘樹委員 全く論評はないですけれども、米澤部長、ほかの知事会にも出席してあるでしょう。この知事の出張の回数というのは、九州各県の他の知事に比べても断トツ多いのではないですか。あたかも全国知事会の会長をなさってあった麻生知事以上に、県庁を留守にすることが多いのではないですか。どうですか。 351 ◯米澤総務部長 九州各県のほかの知事の上京の回数ですとか、あと、麻生知事がどれぐらい上京しておられたのかは、ただいま手元に資料がございませんので、そちらとの比較の上お答えすることは、現時点では差し控えさせていただきます。 352 ◯阿部弘樹委員 差し控えるじゃなくて、わかりませんでしょう。これ、とまっちゃったらいかんからですね。もっとあるんですよ。  では、東京出張、二十三年度から二十八年度、野田さん、ここに自宅と書いてあるんですけど、執行部の認識は、杉並区宮前三丁目が自宅なんですか。あかたも江戸屋敷に知事が通ってある。私はこの資料を見て愕然としましたよ。なんか参勤交代しているのではないかと。江戸屋敷には奥さんがおって、毎週とは言わんけど、用務をたくさんつくって、江戸屋敷に通っているんじゃないですか。お答えください。 353 ◯野田秘書室長 まず、上京に当たっての用務内容につきましては、資料にお示ししておりますとおり、それぞれ必要な公務を処理するために出張をされていると考えております。  宿泊先につきましては、資料でお示しておりますように、知事就任当初におきましては、確かに委員御指摘のとおり、自宅に泊まられることが多くなってございます。これは旅費の制度上、我々一般職員もそうですけれども、用務先に、例えば、知り合いのうちでありますとか、この場合は自宅として使われていたうちがあるといったところに宿泊した場合は、ホテルの部屋代相当額一万一千円が減額されることになりますので、県費の節減につながるという事情もございます。そういった意図もあり、また、長年住みなれた御自宅があるのであれば、当初はそこが使い勝手がよかったということもあろうかと思います。その後、やはり東京での公務を効率的にこなすといった意味では、この御自宅では、やはり足回りが悪いということ、それからセキュリティーの問題というものも我々心配いたしまして、その後は宿泊先として、一般の宿泊所を使っていただくようになっておるということでございます。 354 ◯阿部弘樹委員 人事課長が後ろにおりますから、人事課長、ちょっとお答えいただきたい。  部長でも、一般職員が東京出張した場合には、宿泊の領収書は必要なんですか。 355 ◯井上忠敏委員長 徳永人事課長。 356 ◯徳永人事課長 出張いたしまして、宿泊した場合の領収書は求めておりません。 357 ◯阿部弘樹委員 私どもの政務活動費は、全て領収書がなければ、そこに泊まったかどうかもわからない。ですが、職員の方は、泊まろうが知人の家に行こうが、領収書を求めないというのは非常に不思議ですね。知事はどうなんですか。
    358 ◯徳永人事課長 特別職の旅費につきましても、一般職に準じることとしておりますので、領収書は求めておりません。 359 ◯阿部弘樹委員 これが知事のからくりだなと私は思いましてね。では、そもそも自宅というのがけしからんでしょうもん。知事の自宅は知事公舎じゃないとですか、野田室長。 360 ◯野田秘書室長 知事就任後は、委員御指摘のとおり、知事公舎が小川知事の自宅であります。そういった意味では、宿泊先の記載については正確性を欠くのではないかという御指摘であれば、おわびの上、訂正させていただきたいと存じます。 361 ◯阿部弘樹委員 今さらそんなに言われたってですね。自宅と思ってあるから自宅と、知事も了承されたんでしょうから。  では、この自宅に泊まったときには、食糧費相当分が出ているのではないですか。知事の旅費の仕組みを教えてください。 362 ◯野田秘書室長 知事の出張の際の宿泊料についてでございますけれども、これは県職員同様、定額制となってございます。その内訳は、宿泊料定額、一泊当たり一万六千五百円を支給することとなっておりますけれども、そのうち室料が一万一千円、夕食代が二千二百円、朝食代が千百円、その他雑費といたしまして二千二百円を支給することとなってございます。なお、いわゆると申しましょうか、自宅に泊まった場合は、このうち室料一万一千円を減額して支給することとしております。 363 ◯阿部弘樹委員 我々議員がこういうことやったら大問題ではないですか。どこから公務、どこからがプライベートなんですか。 364 ◯野田秘書室長 お示しいたしております資料に記載しておりますそれぞれの訪問先、用務をこなすための行程につきましては、これは全て必要な出張であるということで、公務として取り扱っております。  なお、この出張命令以外に、例えば個人的な用等で宿泊を一泊多くするといったようなことも、年のうちに数回程度、三、四回でありますけれどもございます。その場合の個人的に延長した宿泊につきましては、これは個人的な理由でもって延泊をされておりますので、宿泊料については一切支給しないという仕組みとなってございます。 365 ◯阿部弘樹委員 自宅に泊まるのが公務と言えるんですか。そしてまた、後で聞こうと思ったんですけれども、公務出張のついでに東京でプライベートな行事が年に数回もある。ちょっと考えてみてくださいよ。我々議員が議会の活動で、とある場所に行って、では、ここまでは公務だから、この後はプライベートだからといってゴルフなんかしたら、それは世間の指弾、非常に厳しいものを受けますよ。そういった点はどうなんですかね、総務部長。 366 ◯米澤総務部長 県の旅費の取り扱いにつきましては、先ほど秘書室長が答弁をいたしましたとおりでございます。その上で、議員の方が出張に行かれた際に、さらにプライベートな日程を追加されるということについては、それも県民の皆様から選ばれておられる議員の方でございますので、県民の皆様からそういった要らぬ御指摘を受けないように、御自身たちを律して活動しておられるのは、大変敬意を表すべき事態だと思います。 367 ◯阿部弘樹委員 聞いていることに答えてないじゃないですか。僕らに敬意を表さなくていいですよ、そんなもの。公僕としてどうだと聞いているんですよ。 368 ◯米澤総務部長 知事が出張の際の用務については、こちらの資料でお示ししておるとおりでございまして、必要な用務に対して出張していると。その際に、年に数回、プライベートな要件があった場合に、そこの延泊については旅費を支払わないという前提で活動されていると認識しております。 369 ◯阿部弘樹委員 それでは、一月四日の知事年頭記者会見の中で、野上課長、知事は年始をどのようにお過ごしになられましたかと、記者クラブで質問を受けておりますけれども、何と書いてありますかね、年末年始。そのとおり読んでください。 370 ◯野上県民情報広報課長 提出資料の三ページ目の真ん中より下のところからでございます。質疑応答でございまして、記者、年末年始はどのように過ごされましたか。知事、三十日の夜に上京して、一日は宮中の天皇陛下の新年の祝賀式典に参加させていただき、二日に帰ってきました。記者、初詣は行かれましたか。知事、初詣は靖国神社に妻と一緒に行ってきました。それから、日枝神社にも行きました。記者、先ほど挨拶されたようなことをお祈りされたということでしょうか。知事、やっぱり福岡県のさらなる発展をお願いすると。それから、県民の皆さんが幸せを実感できる、去年よりもよい年にしたいというのが、私の願いです。  以上でございます。 371 ◯阿部弘樹委員 では、野田室長、そのときの出張について、まず、一覧表のほうを説明してください。十二月三十一日から一月一日、昨年度分ですね、決算特別委員会ですから。説明をお願いします。 372 ◯野田秘書室長 一覧表で申し上げますと、知事の東京への出張のうち、十ページになりますが、平成二十七年度の十二月三十一日から一日、主な訪問先、皇居で、主な用務が新年祝賀の儀、これに当たるものでございます。詳細につきましては、四点目の資料の一番上の行、平成二十七年度、二十七年十二月三十一日分でございます。  まず、記者会見で知事が申し上げました、三十日に出発というのは、これは発言の誤りでございまして、出発日は十二月三十一日でございます。三十一日に宿泊し、一日に新年祝賀の儀に参列をされ、その日もう一泊されまして、二日の日に福岡に戻られております。一月一日分の宿泊については、先ほど御説明しましたとおり、県費からは支出いたしておりません。 373 ◯阿部弘樹委員 知事さんは、毎年、年末ニューオータニで奥さんと過ごされることが多いそうですね。ここは、お正月はお節料理が出ます。高額な宿泊費です、年末年始は高いですよ。奥さんと一緒に泊まられて、通称小川知事の間というような部屋があるそうではないですか。何ですかいな、それは。県民の税金でしょうもん。私たち県会議員が、家族連れで泊まったりして、それを政務活動費なんかに充てたりすればどうなりますか。総務部長、お答えください。 374 ◯米澤総務部長 この十二月三十一日のニューオータニの宿泊につきましては、先ほども旅費の規定を御説明させてきましたけれども、宿泊料は定額になってございまして、一泊一万六千五百円、こちらが支給されております。それはもちろん知事の宿泊について一万六千五百円が支給されている状況でございます。 375 ◯阿部弘樹委員 全く回答になってない。要するに、全額知事が税金で支払いしてないというのは、人事課長が言ったとおりですよ。ただ一部とはいえ、公私混同甚だしい。一月二日は全くプライベートでしょう。プライベートなのに、帰ってくるときには公用車、何ですか、これ。余り誠実な回答ではないので、納得できません。 376 ◯井上忠敏委員長 理事の方は、委員長席にお集まり願います。  委員各位はそのままお待ちください。     〔理事集合〕     〔理事協議〕 377 ◯井上忠敏委員長 再開いたします。  阿部委員、どうぞ。 378 ◯阿部弘樹委員 公務の間も、知事夫妻は初詣でをなさったり、あるいは夫婦で高級ホテルでお節、これも公私混同だと思うんですよ。でも、この資料を見ておりますと、二十八年一月二日、ニューオータニから羽田までタクシー、そして、福岡空港から知事公舎までタクシー、これは誰が払ったんですか。どなたが払ったんですか、これは。 379 ◯野田秘書室長 御指摘のタクシー代につきましては、これはあくまでも公務を処理するための行程の一環と捉えておりまして、県費で支出をいたしております。 380 ◯阿部弘樹委員 あなたさっき、プライベートと言ったじゃないですか、二日の日は。一日までが公務でしょう。何か釈然としないな。宿泊の領収書も要らないし。  東京出張の状況、途中から違う定宿に変わっているんですよ。ふくおか会館、あるいはグランドアーク半蔵門、これも領収書が要らないのに、どうして宿泊先がわかるんですか。領収書もないのに。本当は自宅にいたんじゃないですか。自宅というのは、失礼、江戸屋敷にいたんじゃないですか。 381 ◯野田秘書室長 まず、一月の公務であるか、私用であるかと、この間のタクシー代の使用に関して、県費で支出すべきかどうかということにつきましては、これは知事の意向にかかわらず、私ども秘書室において旅費規程等を解釈した上で、公務として支出できるものであるという判断をして支出したものでございます。これが社会通念上ふさわしくないという御指摘であろうかと思いますので、この点につきましては、今後制度所管課である人事課なり、会計当局とも協議をして検討してまいりたいと考えております。  それから、宿泊先につきましては、まず、いわゆる自宅に宿泊されていた理由につきましては、先ほど申し述べたところでございますけれども、その後、東京での公務を効率よく処理するために、便利のいい、ふくおか会館を利用していただく、これはふくおか会館の利用促進といった意味もございまして、まずはそこに泊まっていただいていた状況であります。それから、平成二十七年三月にふくおか会館が営業を終了いたしましたので、ふくおか会館にかえまして、グランドアーク半蔵門が、いわゆる最も使う頻度の多いホテルとなってございます。 382 ◯阿部弘樹委員 全て領収書がないのに、どうして宿泊したのが証明できるんですか。 383 ◯野田秘書室長 これらの宿泊先、それから飛行機の手配につきましては、秘書室のほうで全てとり行っております。また、東京におきましても、秘書室職員あるいは東京事務所の職員が、知事に随行をするのが通常でございまして、ホテルまでお送りをする、あるいはホテルにお迎えにあがるといったことをしておりますので、宿泊については間違いないものと考えております。 384 ◯阿部弘樹委員 初詣でについても、秘書室の秘書がついて行ったんですか。 385 ◯野田秘書室長 新年祝賀の儀の参加につきましては、随行はついてございません。 386 ◯阿部弘樹委員 記者会見で述べた初詣でについてお伺いしているんです。 387 ◯野田秘書室長 初詣でにつきましては、先ほど申し上げましたように、まず新年祝賀の儀に秘書室職員は随行しておりません。現地におきましては、東京事務所のほうで現地のアテンドを、これは宮中においてアテンド等を行っておりますけれども、私的な活動である、御指摘によれば初詣でということでございますけれども、それにつきましては私どもは存じ上げません。 388 ◯阿部弘樹委員 これだけではないんでしょう。私は、我が会派の吉松委員の御質問に対しても、知事は江戸屋敷におったんじゃないかなと思っております。  なかなか、知事さんは新築の家、恋しいようですね。領収書もないのに、いましたと強弁されても、それはにわかに信じがたい。私ども議員であれば、そういうことは領収書がなければ事実としては証明できないんですよ。総務部長さん、きちんとこの委員会の質問に答えてくださいよ。 389 ◯米澤総務部長 宿泊の事実を証明できるか証明できないかというお尋ねでお答えをさせていただきますが、先ほども答弁をさせていただいていますように、本県の知事の宿泊料につきましては県職員同様定額制となっておりまして、本県の旅費制度における宿泊料、旅費の支給に当たり、領収書等の支出証拠書類の添付は求めておらない状況でございます。  知事が、こちらの資料にありますように、この用務に関して、宿泊されておる事象につきましては、先ほども秘書室長から答弁いたしておりますように、随行職員、東京事務所の職員が、知事をホテルにお送りしたり、お迎えにあがったりということでございますし、予約のほうは秘書室が行っておりますので、そちらで宿泊の事実を把握しているという状況でございます。 390 ◯阿部弘樹委員 新築の家があって、就任一年目は頻回に自宅に宿泊していると記録に残しておいて、次年度以降、一度も自宅に帰らないんですか。おかしいじゃないですか、急にそういうことに変わって。秘書室長、どうなんですか。 391 ◯野田秘書室長 委員御指摘の点につきまして、個人的な事情は存じ上げませんけれども、事実のみ申し上げますと、宿泊地が、当初自宅であったものが、次年度以降、宿泊施設に変わっている理由につきましては、私どもの受けとめを御説明させていただいたとおりでございまして、宿泊先が間違いないということにつきましては、これは私どもで、総務部長も申し上げましたけれども、予約もしており、職員が送り迎えもしておるということでありますので、その点については間違いのないところであると申し上げさせていただきたいと存じます。 392 ◯阿部弘樹委員 じっくりこの資料を見ていたらですね、知事さんが東京に行かれるのは週の終わりぐらいが多いんですよ。週の半ばじゃない。何をか言わんやと思います。でも、これ以上、秘書室長さんにお聞きしても、お答えは返ってこない。部長さんに言っても返ってこない。私は、この出張というのは、東京都の舛添知事の湯河原と同じ構造じゃないかと思っております。  ぜひとも知事にお伺いしたいと思いますので、知事保留質疑を、委員長、よろしくお取り計らいをお願いいたします。 393 ◯井上忠敏委員長 ただいま阿部委員から申し出のありました知事保留質疑を認めることにいたします。  なお、知事保留質疑は十一月四日金曜日に行う予定でありますので御了承願います。(拍手)  これで、川端委員、平井委員、浜崎委員、板橋委員、阿部委員の知事保留質疑を残しまして、総括質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、十一月四日金曜日の委員会は、午前十一時に開き、知事保留質疑及び採決を行いますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 四 時 二 十 一 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...